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2011.11.21 07:00  週刊ポスト

清武氏に桃井球団社長「切るなんてできない」と談笑していた

プロ野球巨人軍のコーチ人事をめぐりナベツネこと渡辺恒雄・読売巨人軍取締役会長(読売新聞グループ本社会長兼主筆)を公然と批判した清武英利・読売巨人軍専務取締役球団代表が、11月18日、ついに解任された。読売グループ内にもメディア内にも味方がなく四面楚歌に見えた清武氏だが、実際には奇妙な光景も目撃されていた。

解任されるまでは普段通り球団本社に出勤し、「クーデターに賛同しながらハシゴを外した」と見られている桃井恒和・代表取締役オーナー兼社長との間で、

清武「私を切らないの?」
桃井「そんなことできませんよ」

と談笑する姿があった。選手やコーチからも激励の声が多く聞かれ、読売新聞のデスクも「多くの記者がよく物申したと快哉を叫んでいる」と明かす。「清武事件」は、ナベツネ支配の内憂外患を白日の下に晒した意味で重大だ。

清武氏は、渡辺氏が「不当な鶴の一声」で、一度は同意していたコーチ人事をひっくり返したことを球団私物化だと批判し、コンプライアンス上、重大な問題であると訴えた。

渡辺氏は「元オーナー」ではあっても、今は代表権のない会長で、簡単にいえば「ヒラ取締役」にすぎない。それが社長や専務に無断で幹部人事を決めようとしたのだから、少なくとも社内秩序を乱す非があったことは明らかだ。

それなのに清武「専務」を公開文書で堂々と「君付け」で呼び、「今後は彼の反省次第」などと威張ってみせるのは、この組織が独裁統治であることを世間に広く公言したことになる。

原辰徳・監督の行動も独裁の証拠だ。原氏はこの間、桃井社長、清武専務の頭越しに渡辺氏に「江川卓ヘッドコーチ」の人事案を根回ししていた。どこの世界に、部長が社長、専務の意を無視してヒラ取と人事を相談する企業があるのか。

実はこの構造にこそ、「ナベツネ帝国」の秘密が隠されている。ジャーナリストの藤本順一氏が指摘する。

「東京、大阪、西部の3本社や球団に分かれていた読売新聞グループは、2002年にグループ本社を中心とする持ち株会社制に移行した。この意味は、渡辺氏が持ち株会社の代表取締役会長に就任してグループを上から支配しつつ、個々の経営が失敗しても、各社長のクビをすげ替えれば自身が責任を負わなくてすむという点にあったのです」

※週刊ポスト2011年12月2日号

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