ライフ

スイーツを食べすぎているとうつ病になりやすいとの調査報告

「甘いものは別腹~」なんていってついついスイーツを食べすぎてしまいがち。だが、食べ過ぎには問題があると語るのは『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でおなじみの脳科学者・澤口俊之氏だ。以下、澤口氏の解説だ。

 * * *
 スイーツに目がないのは、多くの女性に共通のことと思いますが、さて、そのスイーツの、糖分やカロリーは脳や体にどんな影響を与えているのでしょうか? ということをテーマに、今回はお話ししましょう。

 私たちはなぜ甘いものを好むのでしょうか? ひとつめの理由は、私たち人類の進化の歴史に関係しています。人類が属する霊長類の食性は、大きく果実食と葉食に分けられます。葉食の典型はゴリラです。人類により近いチンパンジーは果実食です。ですから、甘みのある果実に近いスイーツを人類が好むのは、進化的に当然の流れだといえます。

 ふたつめの理由は、「脳」にあります。脳はブドウ糖を主なエネルギー源とし、かつ、カロリーを多く消費します。ですから、スイーツのように甘くて高カロリーの食べ物は、脳をよく使う人類にとって魅力的なものなのです。

 ブドウ糖は米などの炭水化物からも作られますが、消化吸収に時間がかかるため、果糖や砂糖から摂取したほうが速く効果を得ることができるという特徴があります。

 逆に体内からブドウ糖が減ってしまうと、エネルギー源が少なくなるので、脳の働きが鈍り、イライラして攻撃性が高まることもあります。そんなときに甘いものを補給すると、攻撃性を弱める効果もあるのです。

 とはいえ、子供のころからスイーツを食べすぎているといろいろな問題が起こります。

 甘いものは、食べると脳内の報酬系が活性化されドーパミン量が増え、快感を得られるため、ついつい多くとってしまいがちです。そして、その行く末は肥満です。

 ところが、人は肥満体質になると、報酬系に耐性ができ、活性化しにくくなることがわかっています。そのため肥満の人は、以前と同じような快感を得るために甘いものをより多くとってしまい、その結果、ますます太るという負のスパイラルに陥ります。

 この他に、甘いものの食べすぎは、すい臓がんのリスクになるという報告もあります。

 さて、ブドウ糖が減っているときに甘いものを食べると攻撃性が低下すると前述しましたが、適量を超えて甘いものをとりすぎると、逆に攻撃性を高めてしまうことも証明されています。糖分のとりすぎに脳が慣れてしまうと、ブドウ糖をとっても脳が活性化されなくなって、イライラが続いてしまい、その結果攻撃的になるのです。子供では甘い飲み物や砂糖のとりすぎで・キレやすくなる・らしいという報告もあります。

 また、「甘いものの食べすぎ」の悪影響は、うつ病にも関係していて、スイーツを食べすぎているとうつ病になりやすいという調査報告があります。ただし、果実に含まれる糖分であれば問題ないようです。

※女性セブン2011年12月1日号

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン