ビジネス

為替専門家 10月31日の1ドル=75.32円が目先の天井になる

10月末に、1ドル=75円台まで急騰したドル円相場は、政府・日銀の巨額円売り介入後、78円前後で推移している。為替のスペシャリストで酒匂エフエックス・アドバイザリー代表の酒匂隆雄氏が今後の為替相場の展開を予想する。

* * *
2011年10月31日から行なわれた、政府・日銀の円売り介入の規模は、覆面介入やそれ以後の介入を含めると、9.5兆円から10兆円に上ると見られている。

実は、投機筋がこの介入では大きく損失を出している。ヘッジファンドなどの投機筋のポジションを表している、シカゴのIMM(国際金融先物市場)の米ドル/円の推移を見ると、介入が入った前の週に円ロング(円の買い持ち)のポジションを前々週と比べて倍増させた途端に、円売り介入を食らった格好となった。

そのため、約32億ドルを買戻しさせられていることがチャートから読み取れる。投機筋の1ドル=75円台の介入に対する警戒感はかなり強くなっているだろう。

ちなみに、IMMのデータでは、くりっく365での本邦個人投資家が介入で大きな利益を上げていることがわかる。投機筋vs本邦FXトレーダーは、今回はFXトレーダーが勝ったといえる。

この年末に向けては、ヘッジファンドの決算も近づき、投機筋の運用額もじょじょに絞られてくる。投機的な動きが細ってくれば、すでに行なわれている介入の効果も表れ始めるだろう。相場に付きもののオーバーシュートはあろうが、私は10月31日に付けた1ドル=75円32銭が、目先の円の天井となる可能性が高いと考えている。

※マネーポスト2012年新春号

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
【動画】伊東市田久保市長 支援者が明かす“市長の思惑”
【動画】伊東市田久保市長 支援者が明かす“市長の思惑”
NEWSポストセブン