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2011.12.20 16:00  NEWSポストセブン

メジャー移籍ダルビッシュ スカウトの評価は石井一久レベル

12月20日、ポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー移籍を希望していた日本ハム・ダルビッシュ有投手の入札球団が公表された。テキサス・レンジャーズである。落札金額は松坂大輔の5111万1111ドルを超える5170万ドルとの報道も。

順調に移籍交渉が進めば、ダルビッシュ投手は来シーズン、メジャーのマウンドに登る。日本球界の最高投手はメジャーで活躍できるのか。西海岸メジャー球団のスカウト担当者が匿名を絶対条件に、ダルビッシュ投手への率直な評価を聞かせてくれた。(取材・文=ノンフィクションライター神田憲行)

――メジャーからみて、ダルビッシュ投手の魅力はなにか。

「クレバーで、空振りを取れるコントロールの良い球種が複数あることが強みと思っている。力任せに投げ込むタイプではないので、状況に応じた投球はできるだろう。ただし、国際大会(WBC)でのダルビッシュの投球は、必ずしも評価できるものではない」

――日本球界は松坂大輔投手に続く超一流投手のメジャー移籍で騒然としている。どちらの評価が上か。

「投手のタイプが違うので単純に比較できない。どう評価するかは、球団事情としか言いようがない。

一般論で言えば、同格だ。ただ、松坂、川上憲伸で失敗したチームは同じ失敗を繰り返したくないから、シーズンを通して働けるかを見極めないうちから多額の契約金を積みたいとは思わない。それだけのことだ」

――ダルビッシュ投手はメジャー1年目で何勝ぐらいの活躍が出来ると思うか。

「勝てるかどうかよりも、ローテーションに残ってずっとやれるかが重要だ。日本人投手で駄目になるパターンは、移動や日程のストレスを捌けない場合が圧倒的に多い。日本人投手は優秀でも繊細なキャラクターだと、もはや能力の問題とはいえない。

過酷な日程で調子を崩して故障し、そのままになる選手は日本人選手に限らずとても多い。ダルビッシュ投手の場合、メンタル面が強いとは思えないという情報もあり、彼自身の投球能力よりもそちらのほうが心配だ。まず、一年やり通せるかだ。我々の球団は無理かもしれないと疑っている」

過去、日本人投手のポスティング移籍での入札での実績は、松坂大輔5111万1111ドル(レッドソックス)、井川慶2600万194ドル(ヤンキース)、石井一久1126万4055ドル(ドジャース)らがいる。

――アメリカも不況なので、もう松坂のような巨額の入札はないのか。それともダルビッシュは逸材だから、別枠として捉えるのか。

「逸材と思うかどうかは各球団の編成の考え方による。我々は彼に2500万ドル以上の価値があるとは思わないが、球団の事情によっては4000万ドルの入札があってもおかしくはないと思っていた。

彼のようなタイプのピッチャー自体はドミニカやキューバにとても多い。空振りを取れる球種が多いことと、彼自身が大変クレバーなのは良いが、素行が良くないので手を挙げるほうからすると躊躇する原因になる。

彼が日本球界でスーパーパワーを発揮してきたとしても、それはあくまで日本人の野手を抑えてきたというだけであって、あまり重要視するわけにはいかない。

獲得する側は、日本市場に関心があるかどうかも加味して数字を上乗せしてくるとは思うが、どこも井川慶、松坂で懲りている。むしろ、黒田博樹のように素材として確実に長く働けそうだという投球傾向(80球越えても球威が落ちない)があれば挙手するところは多いだろう。

逆に、彼自身がいまの日本球界を背負わなければならなくなっている部分はある。日本で敵のいない、頭一つ出た成績を収めていて、その彼がメジャーで通用しないとなると、日本球界の成績を見て選手を取ろうという編成は減る。

贔屓目を抜きに、単純に彼の価値を考えると、石井一久レベルと言っていい」

――ダルビッシュ投手以外では、岩隈久志投手もメジャー移籍を表明している。メジャー球団で人気があると思うか。

「岩隈の話はあまり球団間の情報交換で出ない。我々の評価だけで言うことになるが、基本的に彼は故障を持っていると聞いており、メジャーでイニングを喰うスターターとして活躍することはかなり難しいだろう。

メジャーのボールが手に馴染むということであれば化ける可能性はあるので、安ければ交渉する」

――ダルビッシュ投手のあと、メジャーが狙う日本人投手は誰か。

「中日の吉見一起と、ヤクルトの館山昌平、楽天の田中将大、ソフトバンクの杉内俊哉はリストアップに入る。ただ、吉見や田中はパワーピッチャーの位置づけなので、空振りの取れる球種が欲しい。パワーとコントロールで討ち取るタイプは通用しないことが多くて困る。

安ければ欲しいという選手では、阪神の能見篤史や、日本ハムの武田久あたり。日本の変則ピッチャーは通用する。能見やロッテの成瀬善久なら、チャンスがあって適正な値段であれば欲しいと思っている。

日本で一線でやれていて、被本塁打の少ない三振の取れるピッチャーは、500万ドルから1000万ドルぐらいを相場にするとどこの球団でも手を上げるだろう」

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