ライフ

重症だと透析が必要に IgA腎症の多くは血尿によって見つかる

慢性腎炎の30~40%を占めるのがIgA腎症だ。腎臓の糸球体に、免疫グロブリンA(IgA=抗体の一種)が付着して炎症を起こし、腎機能が低下する病気で、重症では腎不全で透析治療が必要になる。健康診断で血尿が見つかったことがきっかけで発見される例が多い。ステロイド治療の他、扁桃摘出とステロイド薬を併用する扁摘パルス療法が実施され、早期では寛解する例も多い。

腎臓には毛細血管が糸玉のようになっている糸球体が片方に約100万個あり、血液がこの糸球体を通過する間に老廃物がろ過されて、血球成分とたんぱく質は保持される。

ここに免疫グロブリンA(IgA)が付着し、炎症が起こると糸球体の一部が壊れ、血液成分やたんぱく質が漏れ出てしまう。糸球体は一度炎症で破壊されると元に戻ることは難しく、次第に硬化して腎不全となり、透析治療が必要となる。IgA腎症は慢性腎炎の30~40%を占めているが、かなり進行しないと自覚症状はない。

順天堂大学病院腎臓内科の鈴木祐介准教授に話を聞いた。

「発症のピークは15~20歳と40~45歳で、男性患者が多いといわれますが、40代女性は健康診断を受ける機会が男性に比べて少ないため、発見率が低い可能性もあります。毎年約6500万の健診受診者のうち3~5%に尿潜血(血尿)陽性者がいます。そして、IgA腎症の70%以上が健診で血尿陽性者として発見されています」

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2012年2月3日号

関連キーワード

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン