働き盛りの突然死は少なくない。家族に負担をかけないためにも「エンディングノート」に預金している金融機関や通帳と印鑑の保管場所、有価証券の一覧と取扱証券会社だけでなく、家族へのメッセージ、人生の軌跡なども書き添えておきたい。
ただし、男に生まれた以上はエンディングノートにも書けない“秘密”があるものだ。
先日、南米に出張してあわや飛行機事故に遭遇しそうになった、40代のビジネスマンが打ち明ける。
「オレも終わりかと思いました。そのとき、情けない話ですが、書斎のデスクにしまってあるエロDVDのことが脳裏をよぎったんです。私の死後、あれを中学生の娘が発見するシーンを想像し、死んでも死にきれないと悔やみました」
このビジネスマン氏には申し訳ないが、DVDやエロ本の類は、死後に100%の確率で見つかってしまうだろう。
問題はネットからダウンロードしたエロ画像や、口外できないアブノーマル系の画像などだ。フォルダの中身はもちろん、アクセス履歴などにも、かなり恥ずかしい個人情報が残っている――。
女房には絶対パスワードは知らせない、と豪語していても、業者にパソコンを持ち込めば簡単にデータをみることができる。ITジャーナリストの三上洋氏にアドバイスをお願いした。
「画像や動画を満喫したら必ず、その都度消去することです。閲覧履歴も消しましょう。それでも、どうしても残しておきたい極上動画やデータがあるなら対策が必要です」
『僕が死んだら…』という心強いソフトがある。このソフトをダウンロードし、エロ画像のフォルダを登録する。デスクトップに「僕が死んだら…」というショートカットが生成され、誰かがそれを実行すると事前に登録しておいたデータを消去してくれるのだ。
※週刊ポスト2012年3月2日号