参加者は川と親しみながらの清掃活動を楽しんだ
このプログラムはトヨタによって実施されるものだが、車両の展示や試乗などの直接的な販促活動は行われない。商品プロモーションと社会貢献活動を両立させる新たな試みだ。トヨタマーケティングジャパンの折戸弘一氏は、取り組みについてこう語る。
「今、若い人たちを中心に何か社会の役に立ちたいと、活動をされる方がたくさんいる。そういう人たちと、社会貢献活動を通じて、この新しいハイブリッドカーへの共感をえられればと思っています。
社会貢献というと、とかく難しく考えがちですが、気楽に来ても楽しめるんだなと、実際に参加してみて、自分自身でもそう感じています。すぐに何かができるとは思っていません。1年でできなければ、2年、3年かけてでも、息の長い活動にできればと思っています」
「アクアソーシャルフェス」は年内を目途に、北は北海道から南は沖縄の47都道府県50カ所、のべ150回以上が開催され、4月には鶴見川流域でも、第二回イベントが開催される予定だ。次は源流をたどるプログラムで、水源の森を実際に歩きながら、森の役割や保全、回復に向けた課題について話を聞き、草刈り、土のう作り、そしてホタルの幼虫の放流体験などが用意されている。
これまでも、劣悪な水環境のもとで生活しているアフリカの子どもたちが清潔で安全な水を飲めるようになる、ボルヴィックの「ワンリッター フォー テンリッター」や、スーパードライ1本につき1円を日本全国47都道府県それぞれの自然や文化財などの保護・保全活動に寄付する、アサヒビールの「うまい!を明日へ!」プロジェクトなど、収益の一部を社会に還元する活動は多く存在している。
一方、JTの「ひろえば街が好きになる運動」や今回紹介したトヨタ「アクアソーシャルフェス」といった、イベントとして参加者が楽しむ、消費者とのコミュニケーションを兼ねた一般参加型の社会貢献活動はまだ少ないといえるだろう。
野外でのレクリエーションやイベントが楽しくなるこれからの季節、無料で、楽しめて、社会貢献もできる――そういう“おトクなイベント”を探してみるのもいいかもしれない。