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ミサイル発射失敗の北朝鮮 不足するコメ2年分がパーになる

 北朝鮮が世界に大見得を切った今回の“衛星”ことミサイル発射。しかし、4月13日早朝に打ち上げられたミサイルは、直後に上空151kmで爆発し、韓国の西の海域に落下。発射は大失敗に終わった。

 周辺各国は、北朝鮮の問題行動に振り回されたが、最大の被害者は、やはり北朝鮮国民だろう。

 韓国の国防省によると、今回のミサイル発射の費用は約700億円に達する。これは、北朝鮮の食糧費に換算すると、コメ141万トン分。北朝鮮国内では年70万トンのコメが不足しているといわれるので、実に2年分にあたる金額をパーにしてしまったわけだ。

 そのしわ寄せは、当然国民の生活に波及する。北朝鮮の人口は約2300万人とされる。しかし金正日が統治してきた約20年間に、200万~300万人が食糧難によって餓死したとされ、現在も人口の約3分の1にあたる800万人が栄養失調という。北朝鮮研究を専門とする山梨学院大学の宮塚利雄教授が語る。

「北朝鮮国民の主食は、トウモロコシに雑草を加えたもので、お粥のようにすすって食べています。栄養失調が多く、幼児の死亡率も高い」

 国を守る軍人も悲惨な栄養状態に苦しむ。北朝鮮内部情報誌『リムジンガン』編集長の石丸次郎さんはこう話す。

「北朝鮮の男子は17才から10年間兵役に就かなければなりません。しかし、その多くは痩せこけて飢えており、まともに戦える状態ではありません」

※女性セブン2012年5月3日号

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