国内

大阪市教員パソコン配備率37% “心を込めて手書きしたい”

 大阪市は来年1月をめどに、公立小中高の校長、教頭を除く全教員約1万2000人に業務用パソコンを配備することを決めた。

 一般の会社員が聞けば、「今さら?」の感もある。だが文科省の調査によれば、大阪市の教員へのパソコン配備率は全国平均の99.2%を大きく下回る36.6%だというから驚きだ。

 大阪市教委は数字の理由について、「学校の耐震化やエアコン設置など、優先課題が多く財源確保が困難だった」ことに加え、「現場の教員の“子供の大事な記録は手書きで心を込めて書きたい”という声に配慮してきたため」と説明する。

 大事な記録とは、児童・生徒の「卒業証書授与台帳(※注)」や、成績や出欠を記録する「指導要録」を指す。市教委は、これらの文書は手書きを原則としてきた経緯がある。これを橋下市長が「無駄な労力だ」とバッサリと切り捨てた。

 実際、無駄は多い。市内の30代の中学教諭の話。

「指導要録などは修正液での訂正もダメなので、一旦パソコンで下書きして清書します。出席番号も一桁の数字の判子を滲まないよう細心の注意を払いながら押すので、指導要録を作成する年度末は徹夜続きになる。日々の配付資料にしても、自宅のパソコンで作って学校の共有パソコンでプリントアウトする人が多い」

【※注】卒業証書授与台帳/卒業証書を授与した児童・生徒の氏名や通し番号を記入した帳簿

※週刊ポスト2012年6月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
藤川監督と阿部監督
阪神・藤川球児監督にあって巨人・阿部慎之助監督にないもの 大物OBが喝破「前監督が育てた選手を使い、そこに工夫を加えるか」で大きな違いが
NEWSポストセブン
「天下一品」新京極三条店にて異物(害虫)混入事案が発生
【ゴキブリの混入ルート】営業停止の『天下一品』FC店、スープは他店舗と同じ工場から提供を受けて…保健所は京都の約20店舗に調査対象を拡大
NEWSポストセブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン
ヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹・蘭子を演じる河合優実(時事通信フォト)
『あんぱん』蘭子を演じる河合優実が放つ“凄まじい色気” 「生々しく、圧倒された」と共演者も惹き込まれる〈いよいよクライマックス〉
週刊ポスト
石橋貴明の現在(2025年8月)
《ホッソリ姿の現在》石橋貴明(63)が前向きにがん闘病…『細かすぎて』放送見送りのウラで周囲が感じた“復帰意欲”
NEWSポストセブン
決死の議会解散となった田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
「市長派が7人受からないとチェックメイト」決死の議会解散で伊東市長・田久保氏が狙う“生き残りルート” 一部の支援者は”田久保離れ”「『参政党に相談しよう』と言い出す人も」
NEWSポストセブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
「ずっと覚えているんだろうなって…」坂口健太郎と熱愛発覚の永野芽郁、かつて匂わせていた“ゼロ距離”ムーブ
NEWSポストセブン
新潟県小千谷市を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA) 
《初めての新潟でスマイル》愛子さま、新潟県中越地震の被災地を訪問 癒やしの笑顔で住民と交流、熱心に防災を学ぶお姿も 
女性セブン
自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏(時事通信フォト)
《自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏》政治と距離を置いてきた妻・滝川クリステルの変化、服装に込められた“首相夫人”への思い 
女性セブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
《初共演で懐いて》坂口健太郎と永野芽郁、ふたりで“グラスを重ねた夜”に…「めい」「けん兄」と呼び合う関係に見られた変化
NEWSポストセブン
2泊3日の日程で新潟県を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA)
《雅子さまが23年前に使用されたバッグも》愛子さま、新潟県のご公務で披露した“母親譲り”コーデ 小物使い、オールホワイトコーデなども
NEWSポストセブン