国内

元オウム女性幹部 NHK特番の放送後、認識の甘さ思い知る

 関東地方のとある山あいにある民家。この場所でオウム真理教元幹部の深山織枝さん(仮名・50代)は、夫と2人で暮らしている。夫も元信者。いまも2~3か月に一度は地元警察が家の様子を確認に来るという。

 6月3日の夜、ニュースで特別指名手配されていた菊地直子容疑者(40才)が逮捕されたことを知った。17年にわたる逃亡生活・ニュースに深山さんの心は揺れた。

「まさかこのタイミングの逮捕なんて…」

“このタイミング”とはNHKスペシャル『未解決事件File:2オウム真理教』の放送直後だったことだ(6月2、3日に再放送)。番組の内容は衝撃的だった。1995年に起きた地下鉄サリン事件後、初めて見つかった700本にも及ぶ麻原彰晃死刑囚(57才、本名・松本智津夫)の肉声テープが公開されたほか、当時のオウム真理教の内部事情が、元女性幹部の初告白を基に再現ドラマとして構成されていた。

 その元女性幹部こそ深山さんだった。

「菊地さんのニュースを見て、ああ、本当に好きな人と巡り合って、生活を共にできたことに関してだけはよかったのかな、と思った部分もありました。もちろん、被害者のかたがたの感情や気持ちを度外視して、彼女のことだけを考えれば、ですが…。

 私は今回のNHKの取材を受けるまで、オウムの話題からは背をむけて生活していました。たまに、元信者の女性と連絡を取ることはありますが、ほとんどオウムの話をすることはなく、相手の新しい家庭の話などを聞く程度でした」

 放送後の反響は、深山さんにとって大きな驚きだったという。

「多くのかたに憎しみや恨み、悲しみといった計り知れない苦しみを与えてしまいました。それを思うと、本当に苦しくなります。

 ネットなどで番組の感想を見て、自分が考えていた以上に、世間の人々のオウムに対する憎しみが大きいことに気づきました。外から見た人にとって、オウムとはそこまでのものだったのか、と戸惑うこともしばしばで、自分自身の認識がいかに甘かったかを思い知らされています」

『未解決事件』を担当した報道局チーフプロデューサー・中村直文さんはこういう。

「オウム事件は犯人が捕まっていても、“未解決”の部分が非常に多い。そこで改めて取材を進めると、元信者たちがいまだ“終わらない人生”を生きているということがわかったんです。被害者のかたがたの思いはもちろん、元信者の実情もフラットに見つめることに心を砕きました」

※女性セブン2012年6月28日号

関連記事

トピックス

虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
亡くなったアンナ・ケプラーさん(TikTokより)
巨大クルーズ船で米・チアリーダー(18)が“謎の死”「首を絞められたような2つのアザ」「FBIが捜査状況を明かさず…」《元恋人が証言した“事件の予兆”》
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
決定戦で横綱を下した安青錦(写真/JMPA)
【最速大関・安青錦の素顔】ウクライナを離れて3年、なぜ強くなれたのか? 来日に尽力した恩人は「日本人的でシャイなところがあって、真面目で相撲が大好き」、周囲へ感謝を忘れない心構え
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
主演映画『TOKYOタクシー』が公開中の木村拓哉
《映画『TOKYOタクシー』も話題》“キムタク”という矜持とともにさらなる高みを目指して歩み続ける木村拓哉が見せた“進化する大人”の姿
女性セブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト
CM露出ランキングで初の1位に輝いた今田美桜(時事通信フォト)
《企業の資料を読み込んで現場に…》今田美桜が綾瀬はるかを抑えて2025年「CM露出タレントランキング」1位に輝いた理由
NEWSポストセブン
亡くなったテスタドさん。現場には花が手向けられていた(本人SNSより)
《足立区11人死傷》「2~3年前にSUVでブロック塀に衝突」証言も…容疑者はなぜ免許を持っていた? 弁護士が解説する「『運転できる能力』と『刑事責任能力』は別物」
NEWSポストセブン