ビジネス

バイナリーオプション ゲーム感覚で投資未経験者の人気高い

 カリスマトレーダー・羊飼い氏が、外為市場の旬な話題をウォッチするマネーポスト連載「FXトレンドフォーキャスト」。今回は最近注目を集めている「バイナリーオプション」(※注)について解説する。

 * * *
 FXと比較すると一般的にバイナリーオプションは50円や100円といった少額から挑戦できること、判定時刻に強制的に勝負が決まるので塩漬けになる心配がないこと、利益と損失の額が最初から決まっているので資金計画がたてやすいこと、1日に何度もチャンスがあるといったメリットがある。

 加えて、相場のボラティリティ(値動き幅)の大きさが利益や損失の大きさに影響しないという点にも注目だ。たとえば、FXで1万円の利益を上げるには、1万通貨で取引する場合、最低でも1円の値動きが必要になる。

 値動きが激しいほど利益を上げやすくなり、あまり動かない相場で利益を上げるには、取引金額かレバレッジを大きくしなければならない。これに対し、バイナリーオプションなら基本的には、1銭動いても2円動いても方向が同じなら同じだけの利益を上げることができるのだ。

 個人的には、FXである程度成功している投資家であれば、あえてバイナリーオプションに手を広げる必要はないと思う。為替は上下を繰り返しながらトレンドを描くので、バイナリーオプションの場合、たとえトレンドを正確に読めていてもたまたま逆方向のわずかな動きに引っかかって失敗することがあるからだ。FXのほうが自分の好きなタイミングで決済できる分、自由度が高い。

 しかし逆にいえば、FXでは思うように利益を上げられていないような人は、目先を変えてバイナリーオプションにチャレンジしてみるのはいいかもしれない。

 損切りが苦手な個人投資家は多いが、バイナリーオプションなら塩漬けの心配もない。また、上がるか下がるかを当てるだけなら勝率は五分だが、FXの経験を活かして指標発表のタイミングやトレンドをうまく利用すれば、勝率を上げられる可能性もある。もちろん、初心者や為替に触れるのが初めてという人にもいいだろう。

 バイナリーオプションは提供している業者の数は少ないが、導入を検討している業者はいくつもあると噂されている。ゲーム感覚でチャレンジできることから投資経験がまったくない層にも人気が高まっており、今後はますますその存在感を高めていくだろう。

※注 バイナリーオプション/FX同様、為替に投資する金融商品で、一定時間後にその通貨価格が上がるか下がるかを予想するもの。一般的に予想が当たれば2倍の払い戻し、外れれば全額が損失になる。

(連載「FXトレンドフォーキャスト」より抜粋)

※マネーポスト2012年夏号

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン