国内

橋下市政の公募区長 西成区は4番人気だったと現区長明かす

 8月1日から、橋下徹・大阪市長による公募で集まった24人の区長による本格業務が始まっている。なかでも注目を集めるのが、「大阪市の問題児」といわれる西成区だ。生活保護受給率や高齢化率が市内最高であり、全国最大の日雇い労働者の街・あいりん地区を抱える。担当する臣永正廣区長は元フリーライターで、徳島県町長も経験しているというユニークな経歴の持ち主。西成の改革、橋下市長の素顔などを聞いた。(聞き手=ノンフィクション・ライター神田憲行)

 * * *
--どうして西成区の区長に応募されたのですか。

臣永 ほか知らんもん。

 --率直すぎます(笑)

臣永 うん。記者会見でもそう答えたら、「こそんなエエ加減な奴いらん」いうて、山ほどクレーム来たよ(笑)。でも大阪に住んだことがないから、此花区とか中央区と聞いても課題はピンとこないのよ。でも西成区は東京の山谷絡みで取材したことがあるから、課題は他の区より少しは見えていたから。

--公募の選考はどのように進んだのですか。

臣永 自分で応募したい区を選んで、現状と課題のレポートを提出して書類選考が1次。面接は2回あって、1次面接が大阪市役所の局長と大学教授の3人。2次が橋下市長と中田宏顧問(元横浜市長)をはじめとした面接でした。西成区の応募者は90人超えてた。全体で4番目の「人気」だったみたいです。

 選考で橋下さんが見ていたのは2点だけだったと思う。住民の「自主自立」を考えているか、そのための解決策を自分で探せる人か。今までの区長は大阪市役所区の職員で、なんとかやり過ごしておれば市役所に戻れるから、改革とかなかなか本腰になれないでしょう。

--橋下市長はどんな方ですか。

臣永 区長にものすごく気を遣っているのがわかる。

--橋下市長はメディアにたいへん評判が悪い。臣永さんはフリーライターでした。そういう人の下で働くのに抵抗感は無かったですか。

臣永 カメラの前で喋ることは過激でも、メディアに対しても丁寧ですよ。毎日2回のぶら下がり記者会見を欠かさず続けていることも、私のところに来た新聞記者が「内容はともかく、姿勢は認める」と評価していたよ。意見が対立するテーマを敢えて取り上げて、騒ぎを起こすことで問題を表に出す手法を意図的にとっているんでしょう。メディア戦略としては上手やね。賢い人です。

※臣永正廣(とみなが・まさひろ)プロフィール
1954(昭和29)年、徳島県生まれ。大阪市西成区区長。フリーライター、徳島県那賀川町長などを経験したのち現職。


関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン