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2012.09.22 16:00  週刊ポスト

“永久保存”函館の贅沢角打ち いか刺しと鮭とばを肴に

「お帰りぃ」。いつもこの言葉で迎える3代目・瀧澤真理子さん(写真右)

 昭和の時代にこの店に通っていた客は、おそらく青函連絡船のせつない汽笛を肴にして飲んでいただろう。そう思わせるほど、JR函館駅や函館港とは至近距離にある立ち飲みの出来る酒屋さんが、『丸善滝澤(まるぜんたきざわ)商店』だ。

 この店ののれんをくぐると、だれもが「お帰りぃ」の言葉に迎えられる。これでもう、飲む前から気持ちよくなってしまうのだが、その声の主は、3代目を守る瀧澤博(62)、真理子(61)夫妻。
 
「私が女子高生だった頃から来てくれている人もいるしねえ。お客さんたちはみんな、うちに帰ってくるようなもんだもの。いらっしゃいよりは、やっぱり、お帰りぃがぴったりでしょ」と、真理子さんは函館弁を交えながら笑う。

「職場から我が家の前を通り過ぎて飲みに来てるんだ。日課になってるから面倒じゃないよ。計算したら、おれ、ここに来てもう50年近くになるぞ」という68歳。「通い始めの頃は、だんなが後片付けしてるのを横目に、ママに人生相談の相手をしてもらって、いつも11時過ぎまで飲んでたなあ。店は10時までなのにね」と照れる、こちらは10年目になる52歳。

 そんな彼らも含めて、リタイヤ組や現役サラリーマンたちが、まさに家族のような雰囲気で12~13人規模のカウンターを取り囲んでいる。そのカウンターがわけありで、床から110cmと、意外なほどに高い。

「低かった当時は、酔うとみんな肘をここについて寝ちゃうのよ。だから古くなった木造の店を平成2年に建て替えたときに、この高さにしたのね。これだと、しゃきっと背筋を伸ばして飲んでもらえるからいいんです」(真理子さん)

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