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DeNA中畑監督と落合博満氏の間に確執が生まれた1本の電話

 過去に落合博満氏(中日)、梨田昌孝氏(近鉄、日本ハム)、田尾安志氏(楽天)、真弓明信氏(阪神)、中畑清氏(横浜DeNA)という監督を輩出している「昭和28年会」。同会は毎年欠かさずイベントを行なっているが、近年、落合氏は参加していない。この背景には、2004年のアテネ五輪の際に生まれた落合氏と中畑氏との確執があるようだ。9月2日、群馬県伊勢崎市で行なわれた講演会で、落合氏の口から当時の話が飛び出した。

「(監督だった)長嶋(茂雄)さんが運悪く倒れられて、中畑清がやっちゃいましたよね。清で全日本、勝てるはずがない。だって、長嶋さんだからまとめられるけど、清がどうやってまとめるの。無理でしょ。まして、一癖も二癖もある連中」

 こう中畑氏を批判すると、大会中に掛かってきた“1本の電話”について述べた。

「まあ、今だからいいやね。亡くなった広島にいた木村拓也ね。あれが五輪のメンバーで。俺でも、キムタクを連れて行く。最悪、捕手もできる。内野、外野全部できる。ああいう人数の少ない野球というのは、ベンチ置いといて、何かあったとき、最後はコイツを使えばいいやという選手が必要なんだ。

 キムタクが(大会中に)肉離れしたんじゃないかな。それで、(中畑から)電話が掛かってきた。『(追加で)井端が欲しい』『今から井端そっちやってどうするんだよ。いるヤツでやれ。もしやれないなら、(木村が在籍していた)広島から1人持っていってくれ。そうしないと、お前らの考えだと、ヨソの球団にあれくれ、これくれと絶対になるから』と断わったんです」。

「プロ野球は契約社会」が信条の落合氏からしてみれば、ルール上にないことを突然いい出したことが許せなかったのだろう。一方の中畑氏にしてみれば、初めてオールプロで参加するアテネ五輪は「全勝優勝」を義務づけられたうえに、なんとしても金メダルを獲らなければならなかった大会だった。

 真逆の立場である双方の考え方は相容れず、現在も溝は埋まっていないのかもしれない。

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