スポーツ

猪木が「宿命のライバル」馬場に挨拶するところを松山千春目撃

 今年は全日本プロレス・新日本プロレスの40周年。それぞれその帝国を築いたジャイアント馬場とアントニオ猪木は「宿命のライバル」だったが、実際のところ2人の関係性はどんなものだったのか。DVD付きマガジン『ジャイアント馬場 甦る16文キック』(小学館)第5巻では、生前の馬場さんと親交の深かったシンガーソングライターの松山千春が、2人の知られざるエピソードを明かしている。

 * * *
 よく試合前の控室に会いに行ってたんですけど、いちばん驚いたのは、全日本プロレスの東京ドーム大会のときに、馬場さんの控室にアントニオ猪木さんが現れたことですかね。ドアが開いたと思ったら、入ってきたのは猪木さん。「あ、猪木だ」って、俺が緊張しました。

 当時、世間では、馬場と猪木といったら誰もが知る宿命のライバルで通っていたし、猪木さんも盛んに馬場さんを挑発していたじゃないですか。「オレの挑戦を受けろ!」っていう感じで。実は、濱地紀生さん(注・プロレス会場設営会社社長。松山に馬場さんを紹介した)からも、力道山が亡くなった後の日本プロレス時代の末期、控室で、よく猪木さんが馬場さんを挑発していたっていう話を聞いていたんです。

 猪木さんが、控室にもかかわらず、「早く決着をつけようぜ。いまこの場でもいいぞ!」なんて、馬場さんを本気で挑発していたとか。ほかのレスラーは誰も止められず、ふたりの兄貴分だった身長160センチの濱地さんが、「何やってるんだ! こんなとこで。やめろ、やめろ、やめろ」って、怒りながら間に入って、止めていたらしいんですよ。

 そんなエピソードを聞いていたので、猪木さんが入ってきたときには、大変なことになるかもしれないぞ、なんて思いました。

 すると、猪木さんは馬場さんの前まで来て、「馬場さん、ご無沙汰しています」って礼儀正しく、挨拶をしたんです。馬場さんはというと、「寛ちゃん、元気かい。葉巻はいつ持ってきてくれるんだよ」なんて、ごく普通に答えているんです。その様子に2度びっくりですよ。あれほど、ふたりの関係性がよくわかるシーンはないでしょう。ほんとに馬場さんて、人徳のある人なんだと思いましたよ。

※DVD付きマガジン『ジャイアント馬場 甦る16文キック』第5巻より

関連キーワード

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン