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中国人作家のノーベル文学賞 国家ぐるみでの買収疑惑が浮上

 村上春樹氏が本命視された今年のノーベル文学賞は、中国の作家・莫言氏が選ばれたが、この受賞に物議を醸す爆弾証言が次々と飛び出している。
 
 文学賞の選考委員として莫言氏を推したとされるスウェーデンの中国研究家・マルムクヴィスト氏は、記者会見で「中国当局者から書画や古書が贈られてきた」と口を滑らせたために、“文学賞買収疑惑”が持ち上がった。
 
 しかもマルムクヴィスト氏は、莫言氏の著作の翻訳者でもある。「翻訳本が売れるのは確実。そうなればあなたには莫大な翻訳料が入るが」と問われると同氏は大慌てで、「受け取らない。ボランティアでやった」と釈明する一幕も。
 
 さらに疑惑を拡大させたのは、スウェーデン国営放送などのこんな報道だった。
 
「中国から投資を受ける代わりに、スウェーデンは文学賞を与えた」
 
 今年4月、中国の温家宝・首相がスウェーデンを訪問し、環境問題の研究費として90億クローナ(約1000億円)の拠出を発表。その見返りが莫言氏の受賞だと指摘したのだ。文学賞の選考はスウェーデン・アカデミーが行なうが、同アカデミーは国立組織。中国の投資を大歓迎するスウェーデン政府との間に“何らかの影響や忖度”があると見られるのも仕方のないところかもしれない。
 
 しかも、ノーベル賞と中国には2年前の因縁がある。一昨年の平和賞(平和賞はノルウェー議会が選考)は、中国の民主活動家・劉暁波氏が受賞。これに中国は激怒し、ノルウェー前首相の入国拒否という“報復措置”に発展した。そうした経緯があるだけに、「体制派作家(中国作家協会副主席)である莫言氏の受賞は中国の悲願だった」(中国に詳しいジャーナリスト)といわれる。

※週刊ポスト2012年11月9日号

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