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【ドル円週間見通し】日本経済リセッション懸念も下値限定的

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、11月12日~16日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、日本の7-9月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長に落ち込み、10-12月期も2四半期マイナス成長でリセッション(景気後退)に陥る可能性が高まりつつあることで、下げ渋る展開が予想される。日本経済がリセッションに陥る可能性が高まっていることで、11月か12月の日本銀行金融政策決定会合で追加緩和策、資産買入れ等基金の増額が予想されていることで、ドル・円の下値は限定的だと予想される。

【日本の7-9月期国内総生産(GDP)】(12日)
 日本の7-9月期国内総生産(GDP)は、対中輸出の減少、貿易赤字の継続により、マイナス成長に落ち込むことが予想されている。10-12月期もマイナス成長が懸念されており、2四半期連続してマイナス成長に落ち込むことで、リセッション(景気後退)に陥る可能性が高まりつつある。

【ユーロ圏財務相会合】(12日)
 11日にギリシャ議会で2013年予算案が可決された場合、12日のユーロ圏財務相会合で、第2次金融支援(1300億ユーロ)の11月分の融資(315億ユーロ)が承認される見通しとなっている。ギリシャ議会で否決された場合、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性、ユーロ圏から離脱する可能性が高まることになる。ギリシャ裁判所は、「EU、IMFが提案している年金受給額削減や、退職年齢の引き上げ案に対しては違憲の可能性」との判断を示している。

【ヘッジファンド解約45日前告知ルール】(15日)
 米系ヘッジファンドは、オバマ米大統領の再選を受けて、ボルカー・ルールや金融規制改革法(ドッド・フランク法)の強化による投資環境の悪化を懸念しており、12月末に向けた「ヘッジファンド解約45日前告知ルール」により、11月15日に向けた投資案件の手仕舞いが予想される。

 ドル・円への影響は、ドルキャリートレードの手仕舞いによる、ドル買い要因となる。

【日本の財政の崖:特例公債法案】
 臨時国会で特例公債法案が成立しない場合、11月末までに財源が枯渇し、政府による予算の支出が全面的に停止され、政府閉鎖の事態に陥り、経済活動も甚大な悪影響をもたらす可能性が高まる。日本政府の危機対応能力への懐疑的な見方が強まり、日本国債の格下げ、円売り圧力が強まる可能性が高まる。現状では、15日に衆議院を通過し、21日に参議院本会議で成立する見通しとなっている。

 今週発表予定の主な経済指標は以下の通り。

■(日)7-9月期実質国内総生産(GDP)-- 12日(月)午前8時50分発表
・予想は、前期比年率-3.4%
 1-3月期以来のマイナス成長となる見込み。輸出がやや低調であること、復興需要が一巡しつつあることが要因。世界経済の減速によって外需復調の期待は高まっていない。現時点では、10-12月期の経済成長はプラスとなる可能性もあるが、相当低い伸びにとどまる可能性が高いとみられている。

■(米)10月小売売上高 -- 14日(水)日本時間午後10時30分発表
・予想は、-0.1%
 参考指標となる10月の国内自動車販売は年率換算で39万台減少。ガソリン価格は前
月比-2.50%程度でガソリン・スタンド売上の下落要因。自動車販売台数は前月比-
3.4%程度。小売売上高の減少幅には下振れリスクがある。

■(米)10月消費者物価指数-- 15日(木)日本時間午後10時30分発表
・予想は、全体の数字が、前年比+2.1%、コア指数は、同比+2.0%
 10月ガソリン価格は前月比-2.50%程度(季調済み)で、CPI全体には9月からの押し下げ要因となるため、前月比ベースでは鈍化ないし横ばいとなる見通し。コアの部分では、先行指標となるPPIの発表を待つ必要があるが、PPIは前月比・前年比とも上昇の見通しであることから、市場コンセンサスは妥当か。

■(米)10月鉱工業生産 --16日(金)日本時間午後11時15分発表
・予想は、+0.2%
 10月ISM製造業の「生産DI」は、52.4と9月49.5から大きく上昇しているため、鉱工業生産は前月との比較で改善する見込み。なお、設備稼働率は横ばいの見込み。

 主な予定は、14日(水):(米)10月生産者物価指数、15日(木):(米)11月ニューヨーク連銀製造業景気指数、(米)11月フィラデルフィア連銀景況調査、16日(金):(米)9月ネット長期TICフロー合計

【予想レンジ】
・ドル・円78円00銭-81円00銭

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