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大阪の町工場が開発 NASAも認めた緩み止めナット

「絶対に緩まないナット」のハードロック工業の若林克彦社長

 長い低空飛行から上昇の兆しすら見えない日の丸メーカー。アップル、サムスンなどの海外メーカーに押され、かつての「ものづくり立国」の姿は霞んで見える。だが、落胆するのはまだ早い。大企業の失速を尻目に、日本には小さくてもシェア世界一の企業が、100社以上もあるのだ。世界を席巻する「町工場」のオンリーワン技術にこそ日本復活のヒントが隠されている。

 ハードロック工業の若林克彦社長(79)が開発したハードロックナットは、“絶対に緩まないナット”と呼ばれ、日本はもちろん欧州やアジアの新幹線、橋、輸送機器、原子力発電所などから、なんとNASAでもその力を発揮している。

「その昔、ナットは緩んで当たり前。でも、緩まなければ点検や締め直しの労力と費用をカットできる。そこがスタート」

 若林社長は弟と友人の3人で会社を興し、試行錯誤の末、ハードロックナットを完成させた。世界一厳しいといわれるNAS(米国航空宇宙規格)の振動試験でも優秀な成績を示し、数々の重要保安箇所に採用されている。

 町工場から世界を制した同社の原点は“たらいの水”だ。

「たらいの水は自分の元に寄せると脇へ逃げる。逆に相手方へたらいを押しやると水は波を打って自分に跳ね返ってくる。経営も同じで、お客様の幸せを考えて努力すれば、結果的に自分の利益も生まれるものです」

 完成から38年間、ナットは一度も緩んでいない。

撮影■ヤナガワゴーッ!

※週刊ポスト2013年2月1日号

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