国内

サントリーの「伊右衛門」バージョン山手線登場の背景とは

ラッピングした“みどりの山手線”

18日、JR東日本は、「みどりの山手線ラッピングトレイン」の第一弾として、車体・車内をサントリーの緑茶「伊右衛門」でラッピングした“みどりの山手線”を発車させた。

この「みどりの山手線」とは、かつて山手線で利用されていた103系通勤形電車のこと。全体を覆ううぐいす色の車体カラーを目にした記憶がある人も多かろう。1988年の運用終了後は、目にすることがなくなり、トレードマークだったうぐいす色は車体のラインカラーとして使われるのみになっていた。

しかし、1963年の登場から50周年を迎えた103系通勤形電車を記念し、当時の車体をイメージしたみどり色を車体側面にラッピングしたE231系電車1編成が、今年1月から12月28日まで運行される。

この50周年記念に伴い、JR東日本企画が、「みどりの山手線ラッピングトレイン」を用いた車体広告を募集。その第一弾として今月18日から運行を開始したのが、「伊右衛門」のラッピングトレインだった。

18日早朝には、マスコミ・関係者を集めて、「伊右衛門」トレインのお披露目式が実施された。入線してきた電車をみて、完成度の高さに思わず歓声が上がるという場面も。また、たった1日でこのラッピングトレインを目撃し、ツイッターでつぶやく人も多数現れた。

そもそも、みどり色に「茶」の文字が載ったシンプルなパッケージの「伊右衛門」。どちらもイメージカラーが同じみどり色という共通点を持つ両者だが、今回、「伊右衛門」がこのラッピングトレイン第一弾になった経緯について、サントリービジネスエキスパート 宣伝部・課長の越野多門氏に話を聞いた。

「昨年12月にJR東日本様が『みどりの山手線誕生50周年』に関するプレスリリースを発表された後、グループ会社のジェイアール東日本企画様が車体広告の販売を始められましたが、当社が真っ先に手を挙げさせていただきました。

もともと、昨年10月に『抹茶入り伊右衛門』として大リニューアルを行いましたが、さらに美味しくなった「伊右衛門」を、“みどり”というテーマカラーでお客様の心に印象的に伝えたいという想いがありました。山手線と伊右衛門の“みどり”という色の相性はもちろん、通勤・通学から買い物客まで多様な方が利用する山手線は、『伊右衛門』のターゲットとも合致します。また、山手線というブランド力のある路線は、「伊右衛門」のブランド価値をもうワンステージ上げてくれる魅力的な媒体だと感じました」

なお、期間中に「伊右衛門」トレインに接触すると考えられている人数は約150万人。かなりの人が「伊右衛門」トレインを目にすることになる。しかし、テレビやネットなど広告媒体が多様化するなかで、なぜ「交通広告」に目をつけたのだろうか。

「現代は情報が氾濫しています。お客様に商品を効果的に覚えていただくためにはテレビ広告だけでは十分ではないと考えます。その点、今回のような車体のラッピング広告はインパクトが強く、テレビとの相乗効果も期待できます。しかも、広告を見て興味を持っていただいた方々が、さまざまなソーシャルメディアを使って情報を拡散してくれます。このように、情報の起点となりうるのが交通広告の強みだと考えます。鮮度を重要視しつつ話題性を持たせたい新しいキャンペーンや新商品の認知拡大を狙う際に、まさにうってつけの媒体だと思います」(越野氏)

JR東日本企画の調べによると、「ツイッター内で話題になる広告」は、「電車や駅構内のポスター・看板」が「インターネット広告」に次いで、「テレビ広告」とほぼ並んで話題にのぼりやすいという結果が出ている。交通広告は、他のメディアと比較してもまだまだ話題性の高いメディアといえるだろう。

なお、この「伊右衛門」トレインは2月18日から3月17日まで走行する予定。また、車内広告も全てジャックした車両は3月3日まで。


関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
国仲涼子が『ちゅらさん』出演当時の思い出を振り返る
国仲涼子が語る“田中好子さんの思い出”と“相撲への愛” 『ちゅらさん』母娘の絆から始まった相撲部屋通い「体があたる時の音がたまらない」
週刊ポスト
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン