ビジネス

交通系ICカード全国共通化 選び方で「お得度」にも違い

3月23日から、「Suica(スイカ)」や「ICOCA(イコカ)」など交通系のICカードが全国で利用できるようになる。

これまでもJR東日本の「Suica」であれば、「PASMO(パスモ)」や「TOICA(トイカ)」、「はやかけん」など他のカードでの利用区間も利用可能だった(「PASMO」で「Suica」利用区間も乗車できるように、逆パターンももちろん利用可能)。しかしながら、例えば「PASMO」はJR東海の区間では利用できないなど、相互利用ができていないケースが多く、利用者としては、旅行や帰省時などに利用できない不便さがあった。

今後は交通系ICカード1枚で、カードが利用できる場所(全国の鉄道52、バス96、お店は約20万店舗)であれば、全国でどこでも利用が可能になるが、どのカードを持つかで、お得度が変わってくることも事実。では、オススメは? ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太氏に教えてもらった。

 * * *
共通化する交通系ICカードは、下記の10種類です。

・JR北海道「Kitaca(キタカ)」
・JR東日本「Suica(スイカ)」
・東京メトロなど「PASMO(パスモ)」
・JR東海「TOICA(トイカ)」
・名古屋交通開発機構など「manaca(マナカ)」
・JR西日本「ICOCA(イコカ)」
・関西私鉄「PiTaPa(ピタパ)」
・JR九州「SUGOCA(スゴカ)」
・福岡市交通局「はやかけん」
・西日本鉄道「nimoca(ニモカ)」

今後利便性が高まり、時間のロスが無くせるようになることは非常に意義があるといえますが、単純にお金をカードに入金して利用するだけでは、使い方としてはもったいない。お得なカードの利用の仕方としては、クレジットカード付の交通系ICカードを使うことです。

例えば、「ビュー・スイカ」カード。これは一回一回チャージする必要もなく、オートチャージで入金されます。つまり、電車に乗り電車賃を支払うとクレジットカードのポイントが貯まっていく。しかもこのカードの場合、きっぷや定期券の購入などで、ポイントは3倍付きますから、全国いろいろな所に出張する方などには、もってこい。定期券もこのカードで1枚として利用できます。どうせ乗るなら、ポイントが貯まる方がいいですよね。

その他、都営交通(都営地下鉄、日暮里・舎人ライナー、都電荒川線、都営バス)では「PASMO」で乗車すると「東京都交通局ポイント(ToKoPo)」がつくサービスなども開始されています。このポイントは1ポイント=1円となり、PASMOへチャージできる仕組みとなっています。電車などの運賃や電子マネーとして利用できます。

ポイントをうまく貯めて、節約につなげましょう。ただし、クレジットカード付のICカードの怖いところは、何も考えずに気軽に利用できてしまうところ。後々請求額が大きくなることもありえます。その場合には節約どころではなくなってしまうため、必要な時だけ利用するなど、計画的に使いたいものです。

ファイナンシャル・プランナー 伊藤亮太
<プロフィール>
年間を通して平均約100件のマネー相談(家計簿診断、資産運用相談など)を行い、FP資格関連書籍六冊、証券外務員資格関連書籍一冊、金融入門一冊等、執筆も多数。大阪証券取引所、SBI証券、スルガ銀行、紀陽銀行等の金融機関、大東文化大、立教大学等で資産運用関連、金融業界動向の講義など多角的に活動中。2011年秋学期からは東洋大学経営学部会計ファイナンス学科非常勤講師も務める。
http://www.ryota-ito.jp/

関連キーワード

関連記事

トピックス

バラエティー番組『孝太郎&ちさ子 プラチナファミリー 華麗なる一家をのぞき見』
コシノ三姉妹や石原4兄弟にも密着…テレ朝『プラチナファミリー』人気背景を山田美保子さんが分析「マダム世代の大好物をワンプレートにしたかのよう」
女性セブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン