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風疹 首都圏の患者数は昨年の30倍で20~40代男性が圧倒的

 かつて数年に一度大流行を起こしていた風疹は、1994年の予防接種法の改正で、男女幼児のワクチン接種が定期(無料)になり、罹患数が激減した。しかし2011年以降、患者が増えている。その理由としてベトナムなど東南アジアでの風疹の流行が、日本に入ってきたのではないかと考えられている。

 今年に入り東京、神奈川など首都圏での患者数が昨年同期と比べて30倍以上のペースで増えており、20~40代の男性の患者が圧倒的に多い。この年代はワクチン接種率が低いか、あるいは接種機会がなかった世代であり、30~50代前半の5人に1人が風疹の免疫がないという報告もある。

 国立感染症研究所感染症情報センター第3室の多屋馨子室長に話を聞いた。

「風疹の確実な予防法はワクチン接種ですが、1979年4月1日以前に生まれた34歳以上の成人男子は、風疹ワクチンの定期接種の機会がなかったので、免疫を持っている人が極端に少なくなっています。また現在、23~33歳の男女も接種率が低いので、風疹のリスクが高いといえます」

 麻疹・風疹ワクチンはすべての医療機関で接種できるわけではないので、事前に電話などで確認し予約する。麻疹・風疹ワクチンの費用は1回約1万円で、1回の接種で95%予防でき、2回ではほぼ100%予防可能だ。

 今年3月末までの時限特例として、中学1年生と1994年4月2日~1995年4月1日生まれの人は無料で予防接種できる。風疹は春の終わりから夏にかけて発症のピークだが、今年はすでに流行が始まっている。早目の予防接種が望まれる。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2013年3月15日号

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