国内

浦安のマンホールモニュメント 「目に触れぬよう」市長配慮

浦安のマンホールモニュメント

 千葉県浦安市、高層マンションが建ち並ぶ住宅街の公園に出現した耐震性貯水槽の隆起─液状化によって発生した、この異様な光景は「首都圏の被災地」の象徴として、たびたび報じられてきた(関連記事『浦安市“被災マンホール”保存の意向に住民「見せ物かよ!」』参照)。

 あれから2年、高洲中央公園の駐車場の光景が、「望まれない」モニュメントとして完成する。

 そもそも隆起した貯水槽の一部の保存決定が市から発表されたのは、震災からわずか3か月後のことだった。その理由は「今後の防災対策の教訓としたい」から。しかし、これに地元住民が大反発。「天災ではなく、市のずさんな建設による人災」「忘れたい記憶をわざわざ思い出させる」などという声があがり、約4000人が反対の署名を市に提出。しかし、工事はそのまま続行された。

 保存のための費用は、約150万円。隆起した部分はすでに柵で囲われていて、モニュメントとしては月内の完成が予定されている。

 保存を決定した松崎秀樹市長は「震災を風化させないため」と繰り返すが、完成に伴う式典や大々的な告知の予定はなし。また、「周囲を低木や高木で覆いながら、道路から直接目に触れないよう心配りをしていきたいと思っています」(松崎市長)と主張する。

 はたして目立たないモニュメントに意味はあるのか。行き交う地元住民が眉をひそめる中、工事も目立たぬようひっそりと進められている。

撮影■丹羽敏通

※週刊ポスト2013年3月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン