ライフ

子宮頸癌ワクチン副作用 手足の痺れや嘔吐に名前を言えない等

 4月1日、子宮頸がんワクチン接種が「定期予防接種」となり、小学校6年生から高校1年生まで無料で受けられるようになった。しかし、期待された定期予防接種の船出は大荒れとなった。

 4月8日には「全国子宮頸癌ワクチン被害者連絡会」のメンバーが厚生労働省を訪れ、ワクチン接種の中止を訴えた。連絡会の事務局長を務める東京都日野市議の池田利恵さんは、「戦後最大の薬害になりかねない」と警告する。

 連絡会が指摘するのは、ワクチンの重篤な副作用だ。

 東京都杉並区の女子中学生A子さん(14才)は中学1年生の時、区内の診療所で前述のワクチンのひとつである「サーバリックス」を接種した。杉並区は2010年7月から「中学入学お祝いワクチン」として中学1年生を対象にワクチンの無料接種を開始しており、A子さんは母親に勧められて制度を利用したのだった。

 2度目の接種直後に手足の痺れや嘔吐に襲われ、翌日から10日間入院した。退院後も手足の痺れや痛みが続き、学校に登校できなかった。病院を転々とするも原因がわからず、自分の名前が言えなかったり、割り算ができないといった深刻な症状が続いた。

 その後、通学できるまでに回復したものの、関節痛や頭痛が続く。ワクチンの副作用を訴えるA子さんに対し、今年3月の区議会で杉並区は、ワクチン接種と症状の因果関係を認め、補償する方針を示した。

「A子さんの母親は『娘のためを思って接種したのに』と涙にくれています。がんを予防できるならと大切な娘にワクチンを打たせたのに、思わぬ副作用が出て、『私のせいで…』と自分を責める母親が多い」(池田市議)

 現在まで、池田市議の元には200件を超える相談が寄せられているという。

「相談はほとんど娘に接種させたお母さんからです。『体の節々が痛い』『全身に湿疹ができた』といった症状のほか、痛みのあまり、まな板の上の魚のように飛び跳ねたり、『トンカチで頭を叩かれているみたい』と訴える子供もいます」(池田市議)

 厚生労働省の資料によると、国内でワクチンが販売されてから昨年末までの約3年間で延べ接種回数は829万回。副作用の届け出は1926例、そのうち重篤なケースが101例ある。資料には自律神経失調、失神などの他、目を疑う重い症例が報告されていた。

 厚労省の資料によると、例えば多くの人が予防接種を受けるインフルエンザワクチンの接種によって重篤な副作用を生じる確率はおよそ100万人に2.2人とされるが、子宮頸がんワクチンの場合、その確率は、サーバリックスでは100万人に114.7人、ガーダシルでは52.6人。今回、子宮頸がんワクチンに関して、専門家らが指摘するのは、そうした副作用報告の頻度の高さだ。

「インフルエンザワクチンの数十倍に上る頻度で重篤な副作用が報告されています。全身に力が入らなくなる難病のギラン・バレー症候群や、全身のさまざまな臓器に炎症が起こる全身性エリテマトーデス、脳の障害である急性散在性脳脊髄炎の症状も記載されていました。しかも、多くの副作用でその後の追跡調査がなされておらず、甚大な副作用が放置されているのは理解できません」(池田市議)

 なぜ重篤な副作用が生じるのか。母親たちの相談に乗るさとう内科循環器科医院の佐藤荘太郎院長は、ワクチン自体に問題があるという。

「本来は外部からの異物の侵入を守ってくれている体の中の免疫が、ワクチンを打つことによって崩壊して、自分に有害な働きをするようになる自己免疫性疾患になり、体のいたるところで神経障害が生じると考えられます。その神経障害が生じた部位によって、症状が変わるのでしょう」

※女性セブン2013年5月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン