働かない、働けないまま親とともに暮らす子供が増えている。いつまでも変わらぬ状況に、親もさまざまな後悔の念にとらわれることもある。一度は就職した娘に対する対応を、今にして悔やんでいるのは、Dさん(公認会計士・59歳)だ。
「私がコネで就職先を見つけ、なんとか長女を金融関係の会社に就職させました。ところが娘は『自分に合わない』といって、2か月で欠勤するように。親としては自分がお願いして就職させてもらったというメンツもあり、“絶対に辞めるな”“文句があるなら、自分で次の就職先を見つけてこい”といい続けていました。でも、そのせいで長女は精神的に不安定になり、会社を退職し、心療内科に通うことになってしまった」
通院を終えた後、再就職先を探すようになったが、仕事はなかなか見つからない。自分たちの時代は中途採用でも正社員の募集がたくさんあったため、Dさんはつい「真剣に探す気持ちがないからだ」と怒鳴ってしまったという。
「そのたびに娘は体調を崩しました。初めての子供なので、過保護に育てすぎたことの責任を痛感しています」(Dさん)
※週刊ポスト2013年6月28日号