国際情報

日中潜水艦比較 攻撃力は互角、探知能力・静粛性は日本が上

 近代化著しい中国人民解放軍。果たして自衛隊の装備と比較してどちらが上なのか。軍事ジャーナリストの竹内修氏が解説する。ここでは“海軍”を比較する。

【ミサイル護衛艦(駆逐艦)】
 海上自衛隊のミサイル護衛艦「あたご」型(2艦配備)はイージス艦で、レーダーの探知、追跡能力が極めて高い。対空ミサイルによって防空するだけでなく、高性能ソナーを備え、対潜ヘリを搭載し、高い対潜水艦作戦能力を持つ。

 中国海軍のミサイル駆逐艦「ルヤンⅠ級」はデータ上は「あたご」型に匹敵する能力を持つが、ミサイルやシステムにロシア製と中国製が混在するツギハギの艦で、実戦能力には疑問符がつく。

【潜水艦】
 海自の最新型潜水艦「そうりゅう」型(5艦配備)は、通常動力型として世界最大級(基準排水量2950t)で外洋作戦能力が高い。また、大気に依存しないで航行するための「スターリング機関」を海自の潜水艦として初めて搭載し、連続約2週間の潜航が可能だ。旧海軍時代から日本の潜水艦技術は非常に高く、「そうりゅう」型も通常動力型として世界トップクラスだ。

 中国の最新式通常動力型潜水艦「元級」(6~7艦配備と推測)も「スターリング機関」を搭載する。「そうりゅう」型と同様、魚雷の他に水中発射型対艦ミサイルも発射可能で、攻撃力は互角と思われる。しかし、ソナーの探知能力、動力の静粛性のいずれも明らかに日本のほうが上だ。

 また、原子力潜水艦「漢級」はかつて「割れ鐘を叩いているような」音を出し、容易に探知された。近年配備された最新艦はだいぶ改善されたが、依然として静粛性に劣る。

※SAPIO2013年7月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン