ビジネス

金持ちの行動様式 景気がいい時は貯めて景気が悪い時は使う

“お金のお医者さん”として知られる「家計の見直し相談センター」の藤川太氏がお金に関する固定観念を解きほぐす『マネーポスト』連載「お金持ちの方程式」。ここでは、貯蓄率を高めて浮かせた資金をいかに殖やしていくか、という運用のポイントについて同氏が解説する。

 * * *
 運用と聞くと、ここ最近の「株高」や「円安」に沸く「アベノミクス相場」が真っ先に頭に浮かび、「ではいったいどの株を買えばいいんだ?」とか「円安はどこまで進むのか?」などと前のめりになる方も少なくないでしょう。

 しかし、残念ながら、いまになってムードに踊らされているような人は、実はあまり運用が得意とはいえません。本当のお金持ちのなかには、アベノミクス相場が騒がれている現段階で、すでに手仕舞い始めている人も少なくないのです。

 振り返れば、2006~2007年にかけての不動産ミニバブルの時期がそうでした。お金持ちは、それより前の2002~2003年頃、不良債権処理で銀行が四苦八苦するなど、世の中が悲鳴を上げている時に不動産を買い集めていました。そして2006年以降、バブルにさしかかると、市場に新規参入してくる人たちを横目に、売り手市場で利益を確定させたのです。これは株式投資でも同様といえます。

 あるお金持ちが「景気のいい時は貯めなさい。景気の悪い時は使いなさい」といっていました。これこそまさにお金持ちの行動パターンといえます。誰もが不安な状況のなかで他人より先んじて動く。それがさらに資産を殖やすことにつながっているのです。

 株式市場をみると、昨年11月中旬以降のアベノミクス相場で株価を3~4倍にまで膨らませた銘柄もゴロゴロあります。とはいえ、それらの銘柄すべてが、今後もさらなる大幅上昇が望めるわけではないでしょう。

 もちろん、相場は、いつまでも一直線に株価が急騰するわけもなく、これから何回も上がったり下がったりという値動きを繰り返しながら進んでいきます。

 不動産をみても、地価の上昇はこれから本格化すると見る人も少なくありません。しかし、実際にはすでに相当回転していて、買い手が選び放題だったのはせいぜい今年1月まで。いまや「売ってください」といってもなかなか思うような物件が出回らないような、売り手市場に移行しつつあります。

 このように相場が大きく変動するなかで、まず肝に銘じておくべきことは、みんなが浮かれている時ほどリスクが高いということです。そうである以上、「さすがに高いから、ここはやめておこう」といった見送る勇気も、時には必要ではないでしょうか。私はそう思っています。

 だからといって、今後、株価も地価も上がらないなどというつもりは毛頭ありません。おそらく株やFX(外国為替証拠金取引)で短期勝負に打って出ても、それなりの利益は望めるでしょう。ただ、それではいかにも忙しい投資になってしまう。そう考えていくと、ここからさらに大きな利益を狙える投資手法は、どうしても限られてくるのではないでしょうか。

(連載「お金持ちの方程式」より抜粋)

※マネーポスト2013年夏号

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン