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『孤独のグルメ』も影響 「ぼっち飯」に引け目感じぬ若者増加

「ぼっち」「おひとりさま」といった言葉が一般化するなか、「ひとり」の時間をポジティブに描いた番組が話題を呼んでいる。7月の放送からシーズン3を迎えたドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)だ。

 同番組は原作・久住昌之氏、作画・谷口ジロー氏によるコミック『孤独のグルメ』をショートドラマに仕立てたもので、主人公の井之頭五郎(松重豊)が仕事の合間にふらっと一人の食事タイムを楽しむ様を描いている。ドラマ内で登場するのは、すべて実在の飲食店。放映後は連日長蛇の列ができるほどの影響力があるようだ。

 そうしたなか、『孤独のグルメ』の主人公に感化され“ぼっち飯”を楽しむ若者が増えているという。A氏(28歳・IT系勤務)もその一人だ。
 
「シーズン1からの大ファンですが、五郎さんがひとりで美味しそうに食べている姿を見て、自分も感化され“グルメぼっち野郎”になっています(笑)。番組で五郎さんが出向いた店にも一人で通いますし、ネットの口コミで好評価の店に一人で出向くようになりました。もちろん、店を探している間は番組のBGMが脳内で流れているので五郎さん気分です(笑い)」

 最近では、京都大学の学生食堂に一人で食事する学生向けの「ぼっち席」が登場したことも話題となっているが、なぜこうした孤独な食事風景が共感を呼んでいるのだろうか。大学で毎日“ぼっち飯”を楽しんでいるという大学生B氏(21歳)は次のように語る。

「トイレで一人飯を食べる“便所飯”という言葉が一時期注目されたように、“ぼっち”はマイナスのイメージがあったと思う。でも、本来つるんでご飯を食べる必要はないのに、大学生ってつるまないといけないような空気もあるんです。

『孤独のグルメ』の良いところは、そういうくだらない自分を捨てて自由でいいんだ、って思わせてくれるところだと思います。だから、五郎さんを見ていると“ぼっち”に引け目を感じなくなりました」

“ぼっち”に引け目を感じる必要など、そもそもないのかもしれない。

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