ビジネス

定年となる60歳直前でリタイアして失業給付を受け取る裏技

「年金は老後の最大の支え」といわれる。だが、働き方も辞め方も十人十色の時代には、“老後”のあり方も人それぞれ。自分のセカンドライフに合わせた「年金戦略」が必要だ。では、60歳でのリタイアを選択した人は、65歳の年金受給開始までの「空白の5年」をどう埋めればよいのだろうか。

 定年退職すれば、「失業」であることに違いはないので、雇用保険の失業給付、いわゆる「失業保険」を利用できる。20年以上雇用保険に加入する普通のサラリーマンなら150日間もらえる。

 そこで、こんなテクニックがある。中小企業に勤めていて、経営者と相談ができるならば、退職理由を「自己都合」ではなく、「会社都合」にしてもらうといい。すると、給付を受け取れる期間が60歳以上なら240日、60歳未満なら330日に伸びる。

 また、国が転職に役立つと認めた技術・知識を身につける「公共職業訓練」を受ければ、給付期間が延長される。本来の給付期間の終了直前に訓練を開始すれば、訓練を受ける期間中はずっと給付を受け続けられることになる。

 年金博士として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏は、こうアドバイスする。

「『会社都合』とは、リストラなどのこと。たとえば、勤め先の早期退職の募集に応募し、60歳直前で失業すれば、失業給付を330日間もらえます。60歳以上の『公共職業訓練』の場合、半年コースが一般的なので、給付期間の最終日から半年コースを受講すれば、61歳ぐらいまで1年半近く失業給付を受け取れる」

 退職前の平均月給が45万円のサラリーマンであれば、失業給付は月額約18万円だ。1年半であれば、計324万円を受け取れることになる。

 ただし、失業給付を受けるためには、ハローワークで求職の申し込み手続きをした上で、1か月に1度、担当者に「就職の意思と能力があるが失業中である」ことを伝え続けなければならない。

※週刊ポスト2013年9月20・27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

“令和の小泉劇場”が始まった
小泉進次郎農相、父・純一郎氏の郵政民営化を彷彿とさせる手腕 農水族や農協という抵抗勢力と対立しながら国民にアピール、石破内閣のコメ無策を批判していた野党を蚊帳の外に
週刊ポスト
緻密な計画で爆弾を郵送、
《結婚から5日後の惨劇》元校長が“結婚祝い”に爆弾を郵送し新郎が死亡 仰天の動機は「校長の座を奪われたことへの恨み」 インドで起きた凶悪事件で判決
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬・宮城野親方
【元横綱・白鵬が退職後に目指す世界戦略】「ドラフト会議がない新弟子スカウト」で築いたパイプを活かす構想か 大の里、伯桜鵬、尊富士も出場経験ある「白鵬杯」の行方は
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン