国内

ふなっしー 1億円経済効果で「船橋市の梨の危機」を救う

 2011年11月、千葉県船橋市に住むデザイナーが「長年住んでいる船橋市を活性化したい」と考え、作ったゆるキャラが「ふなっしー」だ。

 あれよあれよと人気者になったふなっしーは、2012年7月に船橋市役所を訪ねた。これは同年11月に開かれた『ゆるキャラさみっと』への参加条件となる自治体の“公認”をもらうためだったが、ふなっしーに突きつけられた答えは「NO」。そこからふなっしーは船橋市非公認のゆるキャラとして、さらに人気者になっていく。

 連日のようにテレビに出演し、CDデビューも決まったふなっしー。その人気に、いよいよ船橋市も無視を決め込むことができなくなった。10月24日、「年齢層を問わず、船橋のイメージアップに貢献してくれている。お礼の気持ちを伝えたい」と感謝状を贈ることを発表したのだ。

「今年の夏は猛暑の影響で梨が穫れすぎて、市場に梨が余って売れなくなってしまったんです。そんな危機的状況を救ったのが、ふなっしーだったんです」(船橋市関係者)

 梨農家が経営する50以上の直売所と船橋駅周辺の30以上の飲食店が一緒になってふなっしーから公認を取りつけ、『ふなっしーのありのみくす』というPRイベントを企画。梨のことを別名“ありのみ”ということから、アベノミクスとからめて“ありのみくす”と名づけたイベントだ。

 さらに、直売店では『ふなっしーオリジナル梨袋』で梨を販売、またふなっしーグッズが当たるスタンプラリーなども開催した。飲食店ではオリジナルカクテルを考案して、1杯飲むとふなっしー自身がデザインしたコースターがもらえるというサービスも行った。

「この『ありのみくす』の効果があってか、中国地方や九州など遠方からの注文も殺到して、梨は例年を超える売り上げを記録しているそうです。船橋市だけで1億円以上の経済効果があったといわれています。しかも、ふなっしーはキャラクターの使用料とか一切受け取らず、無償で協力してくれたんです」(『ありのみくす』関係者)

※女性セブン2013年11月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン