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100万円の投資が1億円になっても非課税 「NISA」の長所短所

 最近、テレビCMや街角のポスターでやたら目にする「NISA」の文字。来年1月からスタートする「少額投資非課税制度」のことで、すでに10月1日から専用の口座の開設が始まっている。初日だけで申請が357万5738件もあったというが、いったい、何がお得なのだろうか? ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんに聞いた。

 そもそも「NISA」とは何か。

「NISAは、イギリスのISAを参考にした投資に関する制度です。日本は個人資産の総額が1500兆円ともいわれていますが、投資にほとんど使われていない。経済を活性化するため、今まで投資をしたことのない人にトライしてもらいたいという国の思惑でしょう」(以下「」内、大竹さん)

 このタイミングで始まるのはどうしてなのか。

「投資にかかる税率は約20%ですが、ここ数年は軽減税率によって約10%になっていました。これが今年いっぱいで終わり、“毎年100万円までの投資には税金がいっさいかからない”NISAがスタートするのです」

 銀行? 証券会社? どこで始めるのがおすすめ?

「NISAは制度なので、仕組み自体はどの金融機関でも同じです。ただ、株式は証券会社でしか扱えないので、銀行で口座を開くと投資信託だけになりますし、各金融機関で取り扱っている商品が違います」

 株式の取引手数料の恒久無料化や、2000円キャッシュバックなど、各金融機関でさまざまな“NISAキャンペーン”が行われているが…。

「一度口座を開設したら4年間は金融機関を変えられないので、どこも必死なんです」

 NISAのメリットは?

「前述のとおり、毎年100万円までの投資には税金がかかりません。仮に、100万円の投資で成功して1億円になっても、そのお金に税金は一切かかりません。100万円はあくまで1年間の上限で、“月々1万円の積立で投資信託”ももちろん可能。ネット証券などは、毎月500円からでも積立購入できるところもあります」

 デメリットはある?

「投資のリスクと、制度としてのデメリットがあります。投資である以上、購入した企業の株価が下がるなどのリスク、元本割れの可能性は常にあります。それはNISAに限りません。

 一方、制度としてのデメリットもあります。損失が出たとき、他で運用しているものの利益と相殺できないのです。例えば、NISAで50万円損をし、一般の投資口座で100万円利益が出たとしましょう。通常であれば利益と損失を相殺した50万円に税金がかかるのですが、NISAの場合、相殺できないため100万円に対して税金がかかる。また、損失が出たときは、確定申告で“譲渡損失の繰越控除”ができるのですが、NISAの場合、それが受けられません」

※女性セブン2013年11月21日号

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