芸能

ゴールデンボンバーは一発屋? 音楽的な実力を評論家分析

『女々しくて』で大ブレークし、自ら「一発屋」と公言していたゴールデンボンバー。しかし昨年2年連続でNHK紅白歌合戦に出場。元日にリリースした『101回目の呪い』が、前作『Dance My Generation』に続きオリコンシングルランキング1位を獲得するなど、勢いは止まらない。人気は長く続かないと言われながら、今も音楽界の話題を集め続けている理由を、音楽評論家の富澤一誠さんに聞いた。

 * * *
 エアバンドということで、最初は企画もの、コミックバンド、という捉え方をされてしまい、一発屋というイメージがあったと思うんです。

 ですが、ヒット曲だけではなく、アルバムを聞いてみると、曲はすごくよくできている。作詞作曲は鬼龍院翔くんがやっていますが、かなり実力があるバンドだと思います。印象に残りやすいサビや、哀愁を帯びた歌詞や曲は安全地帯の初期によく似ています。

 鬼龍院君のボーカルも抜群にうまい。どうしても派手なパフォーマンスに目が行きがちですが、じっくり曲を聞いていると、音楽だけでも充分、リスナーを惹きつける力がある本格的なバンドであることがわかると思います。

 今年のレコード大賞で特別賞を獲得していますが、私も常任実行委員をしているので選考委員になっているのですが、当初は企画賞に、という声も出たんです。でも、最終的に彼らは企画だけのバンドではない、ということで特別賞になった経緯があります。

 受賞の決め手はいろいろありましたが、ひとつはカラオケでの支持の高さです。2013年のジョイサウンド年間ランキングで、『女々しくて』は1位でした。ちなみに、2位は高橋洋子『残酷な天使のテーゼ』、3位・WhiteFlame feat.初音ミク『千本桜』、4位・モンゴル800『小さな恋のうた』、5位・一青窈『ハナミズキ』と続きます。

 カラオケの定番曲を抑えて、彼らが1位になっていますよね。カラオケで歌われ続けるということは、パフォーマンスだけではなく、それだけ、楽曲の良さが根強い支持を集めている証拠と言うことができます。

 また、ステージ上で見せる派手なパフォーマンスも人気の理由だと思いますが、それだけではそれこそ一発屋になっていたはずです。

 例えば書家でいえば、相田みつをさんは、崩した字を書きますが、きちっとした字を書かせると、とてもうまいわけですよね。書についてのベースがあるからこそ、彼のオリジナルの書のスタイルを確立できたのです。ゴールデンボンバーも同じで、音楽の実力があるからこそ、彼らのオリジナルのパフォーマンスが面白くもあり、さらにかっこよくなるわけです。これからも活躍を続けるバンドであるのは間違いないと私は見ています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン