今年の冬は、2013年の猛暑を受け、例年よりも寒く、また乾燥がひどいといわれている。冬の肌は、気温の低下などに伴う血行不良や、空気の乾燥により肌の水分が蒸散しやすいなど環境の影響を強く受ける。ハンドクリームなどの乾燥対策商品は年々拡充されているが、年末までブランドCMを放送し、「保湿だけでなく、修復」を訴えていたのが「冬MUHI」だ。
「冬MUHI」は、池田模範堂の、冬の乾燥肌トラブル治療薬ブランド。「リペアクト」「ムヒソフトGX」「ヒビケア」「ヒビケアFT」の4 商品をラインナップしている。商品CMだけでなく、何故あえて“ブランド広告”としてのCMを放送したのか。その背景を市場開発室の楠本さんに聞いた。
■「肌ケア」の研究には長い歴史がある
ブランド広告を投入したのは、実は同社初。「冬MUHI」というシリーズがあることを、知ってもらうための決断だ。楠本さんは、「個々の商品に対してのユーザーの満足度は高いものの、冬のスキンケア市場で弊社の存在感は決して高いとは言えませんでした」という。ムヒといえば、夏の虫さされというイメージが強い同社。しかし、肌のケアに関する研究なら、長い歴史がある。
ブランドCMに登場したのは、さまざまな主婦たちだ。訴えるターゲットを絞ることで、よりわかりやすく、直球勝負に挑んだ。
「女性、特に主婦層の方たちは毎日の家事で水仕事の機会も多くトラブルに陥りやすい環境です。それに加え、男性と比べ肌の露出も多く、手やかかとだけでなく、すねや顔などさまざまな部位が乾燥しがち。さらに、人に見られて恥ずかしいという心理的要因が加わることで乾燥肌トラブルに対する意識が高いと考えています」(楠本さん、以下「」内同)
■「修復」しなくてはならない肌とは
「冬MUHI」は、「保湿+修復」をうたっている。他社が「保湿」をメインにした商品を揃えるのに対し、同社はいずれの商品も「保湿」だけでなく「修復」も必要であると呼びかけている。これも、肌に対する長年の研究から生まれた発想だ。
では、「修復」しなくてはならない肌とはどのようなものなのか。それは、「バリア機能が不充分で、乾燥肌が繰り返す人の肌」。自分で気づくポイントは、「保湿剤を塗ってもその時は表面が潤うものの、また翌日乾燥する状態の肌」とのことだという。
「冬の肌の脱水症状」が叫ばれるなか、少しでも肌から水分が抜け出さないようにすることが必要だが、楠本さんに、修復効果のある商品でのケアは、どのくらい使えば良いのかを尋ねた。
「皮膚のターンオーバーは約1か月と言われていますので、理論的には新しい組織に生まれ変わる1か月は継続して使ってみてください。ただし、冬の間は肌の状態を見ながら継続して使っていただくのが効果的だと思います」
夏は気温や湿度も高くなるため、冬にくらべて環境の影響は少なくなるが、最近はエアコンによる夏の乾燥肌も増えてきているとのこと。肌状態を見ながら使うのが良いようだ。
一年を通して、