初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
同居する交際相手男性・Aさんの乳首や指を切断したなどとして、傷害の罪で逮捕、起訴された佐藤紗希被告(23、2025年4月の逮捕当時)。その第3回公判が12月10日、大阪地方裁判所で開かれた。
起訴状によると、佐藤被告は事件当時21歳だったAさんの左乳頭を切断し、加療10日間を要するケガを負わせた件、斧で左薬指を切断し回復不能としたケガを負わせた件、さらに拳で耳や鼻付近を複数回殴打し、加療3日間のケガを負わせた件で逮捕、起訴されている。
コスプレイヤーとしても活動していた佐藤被告。これまでの公判で、被告人はすべての起訴事実を否認しており、Aさんの証言の信用性が重要なポイントとなっていた。出廷したAさんの証言からは、乳頭と指の凄まじい切断状況が詳らかにされた。
なぜ暴力を受けながら、Aさんは佐藤被告と離れることができなかったのか——裁判ライターの普通氏がレポートする。【全3回の第3回。本文には一部ショッキングな犯行態様が含まれます】
鈍器の購入を拒んだら…
3件目の事件は、2025年1月にAさんの耳や鼻付近を複数回殴打されたというものだ。この事件について佐藤被告は、「Aから首を絞められたので殴り返した」「ケガを負わせたとは思っていない」と正当防衛とケガの因果関係への疑義を主張している。
Aさんの主張によると、過去に佐藤被告は海外で耳の骨を使った鼻の美容手術をしていたという。その術後の痛みが激しかったため「お前も同じとこを痛くする」「拒否ったら鼻の骨を折ります」などと告げたという。
初めは、殴るための鈍器を買いに行くなどと誘われたが、断ったところ、鼻と耳ともに10回ずつ殴らせることに落ち着いた。
今回の事件以外にもAさんは暴行を幾度も受けていたため、このときには佐藤被告に「行くよ」と言われたら、自然に浴室に行くことと理解していたという。服を脱ぎ、全裸で浴槽の中でしゃがんで佐藤被告の方を向いた。
