国際情報

中国の汚職取り締まり 年間18万人処分の監視組織を更に強化

 中国の内政状況は、一段と混沌の度合いを高めてきている。中国の情勢に詳しいジャーナリスト・富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 習近平体制になって以降の大きな特徴は何といっても汚職取り締まりの厳しさだ。そして、その最前線にいるのが全国8000万人党員の規律を取り締まる中央規律検査委員会である。

 今年1月、中央規律検査委員会と観察部は2013年の中国における汚職取り締まりの概要を公表した。それによると、同組織に寄せられた情報提供(密告)件数は、のべ195万件に達し、そのうち122万件が告発、約17万件が立件となった。

 事件に絡んで処分された党員は、18万2038人だったが、このうち中央規律検査委員会及び観察部が直接処理に当たった中級以上の幹部は31人となった。また全国で起きた4件の重大事故の原因究明調査にも参加し、党員94人を調査し、結果として大臣クラスの幹部を3人、局長クラスを14人、課長クラス21人を処分したと発表している。このうち46人を司法機関へと送致し、刑事事件として処理を待っているという。

 年間18万人の党員が処分されているというのも驚くべきことだが、中央規律検査委員会の組織強化は、2017年まで順次進められてゆくとされている。

 だが、現在の中国で関心がもたれているのは、2012年9月の反日デモの際の公安責任者であり、反日デモを煽ったともいわれる周永康元党中央政治局常務委員が、昨年暮れから消息を絶っている一件である。

 周委員は、数々のスキャンダルによって政治的に失脚した薄煕来共産党政治局委員と緊密であったとされ、汚職問題で追及されているとの見方もある。

 周委員の動静が判明するのは、現在の中国では「全国人民代表大会の前後」(党中央関係者)という見方が広がりつつある。もしそうなれば、今年の3月から中国の内政は大きく荒れることになりそうだ。

関連キーワード

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン