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東京五輪聖火最終ランナー「責任の重さすごく感じた」と述懐

 1958年に竣工した国立霞ヶ丘陸上競技場、通称国立競技場は老朽化のため今年7月に解体されることが決まっている。メインスタジアムとして開会式が行われた1964年の東京五輪での最終聖火ランナーとして聖火を灯したのは、早稲田大学の学生だった坂井義則氏(68)だった。

 国立競技場の階段を登りながら、「僕がここでずっこけたら、日本が一致団結してやってきたことが水の泡。とにかく責任の重さはすごく感じました」と坂井氏は笑う。

「開会式の日は、青山に住んでいた先輩の家から車で来て、千駄ヶ谷門近くにある『水明亭』で着替えました」

 本番前の練習は、前日のリハーサルが2度、その前にコースを2回走っただけだったという。

「当日も自分の判断でスタートして競技場に入りました。火をもらってから3分で点火というのが決まっていたから、そればかり考えてましたね。周りを見る余裕はなかったです」

 選手宣誓に観客の目が移ると、聖火台の裏へ。

「砂の入ったバケツでトーチの火を消してから、係の人の誘導で外に出ました。無事に大役を果たせてホッとしましたね。新宿の居酒屋にでも行こうって考えたんですが、実際には行きませんでした(笑い)」

※週刊ポスト2014年2月14日号

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