国内

過去10度の出馬経験持つマック赤坂氏に密着 その人物像を探る

 都知事選候補者は実に16人を数えた。だが大メディアが「有力候補」として報じるのはそのうち数人に過ぎない。「泡沫候補者」と呼ばれる人たちは、供託金300万円を払ってまで、どうして出馬するのか。ノンフィクションライターの柳川悠二氏がその一人、マック赤坂氏の選挙に密着した。(文中敬称略)

 * * *
 真っ赤なオープンカーを渋谷・ハチ公前に横付けした初老の男は、頭上にミニーマウスのカチューシャをつけ、両手にタンバリンを持って現われた。拡声器からチャップリン作曲「Smile」を流し、自ら考案したスマイルダンスを踊り始める。彼が何者かを知らなければ、不審人物にしか映らないだろう。

「私がスマイル党総裁、マック赤坂である。若者諸君! 自由に生きるのは勝手である。しかし自由に生きるためには国民の義務を果たすべきだ」

 マック赤坂は若者に向かって投票を呼びかけた。本名は戸並誠、名古屋出身の65歳である。

 2007年港区議会議員選挙を皮切りに、東京、大阪の知事選や国政選挙に通算10度の出馬経験を持つ。選挙に度々出馬しては泡のように消えていく人物を俗に泡沫候補と呼ぶが、彼はその代表格だ。初出馬の動機、それは主宰するスマイルセラピーの普及だった。

「いわゆる売名だな。しかしサロンに来る人は選挙に出る度に減っている。いつしか純粋に日本をスマイルあふれる国にするのが使命になった。私がスーツを着て演説しても、誰も耳を傾けてはくれないだろ。いくら笑われても気にならない。外見だけで人を判断するような人間は相手ではない」

 確かにマックの周りは常に笑顔があふれている。ただし、苦笑であり、嘲笑、冷笑だ。もしこんな男が自分の父親だったら──ついそんなことを考えてしまう。

 寿司屋で遅い昼食を共にした日、これから演説を行なうというのに、彼は芋焼酎を4杯もおかわりした。選挙中に飲酒する候補者を見た有権者が何を思おうが彼には関係ない。

 飲み過ぎたせいか、あるいは加齢によるものなのか、マックはやたらとトイレが近かった。平日の街頭演説はひとりで行なうため、「盗むヤツがいるから荷物を見てもらっていいか」と頼まれることしばし。コスプレに使う殿様のカツラやエンジェルのカチューシャを盗む輩がいるとも思えない。

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン