談志の名が出て色めき立つ取材陣。亡くなった「立川流家元」談志は小三治の兄弟子だが、落語協会を飛び出てからは疎遠となっていた。記者から「二人とも立場が大きくなり過ぎて話す機会がなくなったのか」と訊かれると、小三治は「それは違う」と答えた。
「私自身大きくなったと思ってないし、向こうが大きくなったとも感じてません。ただ、私、談志さんのファンでしたから、入った時に。すげぇな、この人、と思ったね。『源平盛衰記』やなんかやって、面白かった時ですね。なんか、どんどん立派になって、持ち上げられて、あの人も困っちゃったんじゃないの?
……そういう話もちょっとしてみたかったしね。それに、なんか、偉そうにいろんなこと言ってたからさ、『それ、違うんじゃないの?』って(笑)。俺にそう言われそうで嫌だったのかな。でも、あの人は、言いたいこと言って、俺はデカいっていうのを作って、それが成功したんだから、いいんじゃないですか」
※週刊ポスト2014年2月21日号