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「メダル噛むな」に渡部絵美と為末大 「好きにすればいい」

 ソチ五輪・ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルの表彰式で、銀メダルを手に笑顔を見せた渡部暁斗選手(25才)。「“メダルは噛んじゃだめ”と言われました」と、メダリストの“恒例”ポーズは最後まで見せなかった。これは、ノルディックスキー複合の成田収平監督(49才)から禁止令が出たことによるものだったという。

 発端は、明治天皇の玄孫(やしゃご)で、慶應大学講師・竹田恒泰氏のツイッター。JOCの竹田恆和会長の長男でもある竹田氏は2月8日、「メダルを取る可能性のある日本選手へ」向けて、こんな注文をつけたのだ。

《メダルは噛むな。品がない上に、メダルを屈辱することになる》(原文ママ)

 インターネット上では「おっしゃる通り」「メダル噛むって、みっともない」「国の代表なんだから正論」と賛同の声がある一方で、「自粛っておかしくない?」「なんでもかんでもクレームつけすぎ!」などと反論も相次ぎ大炎上。

 禁止令はそんな渦中に出されたものだった。これを受けて、1979年の世界フィギュアスケート選手権で銅メダルに輝いた渡部絵美さんはこう言う。

「メダルは国のものじゃなくて個人のものなので、メダルにキスしたり噛んだりは、選手のものですから好きにすればいいと思いますよ。昨年の秋、うちに泥棒が入ったんですが、金庫にメダルが入ってたんですけど、泥棒はそれは持って行かなかった。私にしか意味がないものなので、泥棒だってそれを売ることはできないですからポイと置いてありました(笑い)。誰に何言われようと自分のしたいようにすればいいと思います」

 また五輪に3大会(シドニー、アテネ、北京)連続で出場した為末大(35才)はツイッター上でこんな持論を展開した。

《気にならない人もいて、選手のメダルですし選手の思う通りにすればいいだけで、外から強制する事ではないと僕は思います》

 これに対し「メダル噛み反対派」からリプライが殺到。さらに竹田氏もこうツイート。

《メダルの所有権があるから何でもやっていいわけではないでしょう。世界の舞台に立つ日本人に立派に振る舞って欲しいと思うのは自然なこと》

 WEB上のリスク対策の専門家は今回の一件について、ドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)の放送中止論争が起きたことや、コンビニでフォアグラ弁当が販売中止になった件と似ていると指摘する。

「クレームの場合、それが1件だとしても発言者の影響力によって拡散度合は違ってきますから当事者は早急な対応が求められるわけです。今回はJOC会長の長男でもある竹田さんの意見ですから、現場レベルでの自粛があったのかもしれません。ただ、“メダルを噛む”行為が良いか悪いかは主観が大きい。“噛め”“噛むな”と強制するのはちょっと違う問題な気がします…」

※女性セブン2014年3月6日号

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