平均寿命から考えても、夫婦で先に死ぬのはたいてい「夫」だ。男たちは当然「自分がいなくなれば、あいつは悲しむだろう」と心配する。「ちゃんと立ち直れるのだろうか」とも考えるだろう。
しかし、それは残念ながら「杞憂」だ。いまや、そんな「未亡人」としての暗さを引きずる女性などいない。夫なき後の妻たちは、悠々自適に「真のセカンドライフ」を満喫している──この現実に、あなたは耐えられますか。
「あなたも読んどいたほうがいいわよ」
結婚25年になるAさん(56)が妻から手渡されたのは、女性セブン2月27日号の<「夫の死」で考える妻の幸せ・不幸せ>という特集記事だった。そこには、夫に先立たれた女性たちが、どうその死を乗り越えたかが綴られていた。
「『頭の中が真っ白になった』とか『毎日滝のような涙を流した』とか『ろくに物も食べられない状態が続いた』とか書いてあるでしょう。自分が死んだら自分の妻もそれだけ悲しむのかと思うとかわいそうで、かわいそうで、妻のためにも自分は長生きしなくちゃならないと思いましたよ」
だが、Aさんはその記事に添付されていた、「夫に先立たれた40代以上の女性100人に緊急アンケート」の結果を見て愕然としたという。
<夫が亡くなって、「この部分に関してはよかった」「楽になった」と思うことはありますか?>という質問に対して「はい」と答えた割合がなんと62%にも上ったのだ。
具体的には「家事全般が楽になった」「仕事をするようになり、社会と繋がった」「近所の友人を気兼ねなく家に呼べるようになった」など、まるで夫がいなくなって煩わしいことから解放されたようなコメントばかり。
「要するに、6割の女性は夫がいなくなって幸せになったってことでしょう? 『家のローンがなくなってよかった』なんて現実的すぎる答えもありましたし」(Aさん)
確かに、アンケートの結果をよく読めば、妻のドライさが透けてくる。
※週刊ポスト2014年3月7日号