ライフ

滋賀の動物病院 治療に3Dプリンター活用で世界の最先端走る

3Dプリンターを獣医療に活用(井尻篤木氏)

 世界的に話題の新技術「3Dプリンター」は医療などさまざまな分野での応用が期待されているが、いち早く、日本人獣医師が椎間板ヘルニア手術に応用している。3月19日に発売された『犬の名医さん100人データブック』(小学館刊)によると、関西のある民間動物病院が、同技術により、いま世界的な注目を集めているのだという。

 滋賀県草津市のアツキ動物医療センターの井尻篤木院長は、もともと顕微鏡を使ったマイクロサージャリー(超微小手術)で有名な脳神経外科、整形外科の獣医師。さらに現在、井尻院長が世界の注目を集めている理由は、3Dプリンターを京大と共同で活用し、先進的な治療を行なっているからだ。

 3Dプリンターとは、コンピュータ上の情報を元に立体物を作る最新技術。まるで空間に印刷するかのように何でも作れることで話題だが、井尻院長はこれを利用して、椎間板ヘルニア手術の際に骨と骨の間に入れるインプラント(人工骨)を製作している。これまでなら、複雑な形状や他との整合のために時間をかけた細かい修正が必要だったものが、3Dプリンターでパッと正確に作れるようになったのだ。

 椎間板ヘルニア以外の他の獣医療や人間の医療においても、3Dプリンターはさらなる応用が期待されている。すでに井尻院長は脳腫瘍の手術にも応用するなど、この分野で世界の最先端を走っている。井尻院長はこう語る。

「病気によっては、もう打つ手がないとあきらめてしまう飼い主さんもおられますが、現在の獣医療はかなりの進歩を続けていますので、あきらめずに治療の可能性を探っていただきたいと思います」

※『犬の名医さん100人データブック』(小学館)より

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト