シリコンバレーから次々と世界的企業が生まれているのは「ふれあいの場」の力があるからだ。チャレンジ精神溢れる人が世界中から集まり、交流するうちにアイデアが生まれて新しいサービスとなり、そして投資機会をうかがうキャピタリストと出会うそうしたサイクルができあがっている場所だと言える。
そういう場所を東京に作るためには、ゼロから街づくりをすることが必要であり、かつ都心に近いことが重要だ。東京で可能なのは数十万ヘクタールという広大な土地があり、しかも多くが都有地である湾岸エリアしかない。実現すれば、ここからグーグルのような世界を変える企業が生まれることも期待できる。
そうした都市計画・街づくりの大きなビジョンを打ち出すのがリーダーの役割だと思うが、残念なことに「東京オリンピックのため」というわかりやすくて目立つ話の中でしか再開発プランが語られないのが現状だ。
※SAPIO2014年4月号