ビジネス

家賃、薬、保険、授業料は増税の影響ないのでまとめ払い不要

 いよいよ消費税増税まで1週間を切った。できるだけ上乗せ分3%の支出アップを減らそうと、まとめ買いに奔走する人も多い。

「3月に入ってから家電やら生活用品やらをクレジットカードで一気にまとめ買いしていたら、100万円以上かかってしまった。後に襲ってくる引き落とし日が恐い」(40代主婦)との悲鳴も聞こえてくる。

 消費税はその名の通り「国内で取引されるあらゆるモノやサービスに課税され、消費者が負担する税金」である。しかし、焦って非課税のものまで“前払い”する必要はない。

 税理士の落合孝裕氏のアドバイスを元に、増税どころか初めから消費税がかからないものをおさらいしてみた。

●家賃
(住宅用として借りている場合で、事務所用は課税)
●診療費、薬代
(公的医療保険の対象となる場合のみ。整体やリラクゼーション施設での診療、美容整形、市販の医薬品などは課税)
●国際線の運賃
(国内の旅行会社に支払う手数料は課税)
●学校の入学金や授業料、検定済み教科書
(学校以外の塾や習い事、給食費、修学旅行費などは課税)
●その他、生命保険料、出産費用、火葬料や埋葬料など

 一方、課税対象のモノやサービスの代金を3月中に支払ったからといって、すべて旧税率の5%のままとも限らない。

「基本的に物販の売り上げはモノを引き渡したとき、サービスは実際に利用したときに成立するので、事前に決済していても単なる前払いに過ぎません。例えば、ネット通販などでも、3月中に注文しても発送日や到着日が4月1日以降になってしまう場合は8%の税率がかかることもあるので確認が必要です」(落合税理士)

 現場ではすでに4月間際の配達指定が難しくなっている。そうした物流業者の混乱を考えると、もう増税前の駆け込みは慌てふためいても仕方ないタイムリミットを迎えつつあるようだ。

 生活マネー相談室代表でファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子さんは、むしろ増税後を見据えて「家計見直しの考え方」を説く。

「手取り収入がなかなか増えない中で“負担増社会”に終わりはありません。いまは家に居ながら、電車に乗りながらでも簡単にネットでモノが買えてしまう時代。キャッシュレス化も後押しして、知らぬ間に消費が増えてストレスフルに陥る人も多い。

 増税後は節約を心掛けるというよりも、自分にとって本当に必要なモノに無駄なくお金をかけられているか。正しいお金の使い方を改めて考え直す時期だと思います」

 17年ぶりの消費税に防衛策を講じるのは消費者心理として当然だが、家計は生涯続くもの。「入るを量って出ずるを制す」のは日常的な消費行動として身につけておきたいものだ。

関連キーワード

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン