ライフ

男性が親の介護に直面した場合どうしたら良いかを専門家解説

 2010年の国民生活基礎調査によると、80歳を過ぎた親の介護を40代後半~60代前半の息子が担う、いわゆる「息子介護」の比率が全体の12%に及ぶことが分かった。現在、推計44万人の“息子”が親の介護にあたっているという。

 いざ、親の介護に男性が直面したら、どうしたらいいのか。介護関連サイトを多数運営する「プロトメディカルケア」オアシスナビ編集部の大井麻希氏がいう。

「多くの男性は、知識がないだけに最初の一歩からして分からない。特に大きいのはお金の心配。あれこれ考える前に、まずは市町村の窓口か、地域の包括支援センターに相談してほしい。最初は電話でもかまいません」

 担当部署が分からないなら、「介護のことで」と言えば窓口につないでもらえる。その後は担当者と話をして、申請書を提出し、訪問調査を受けて、要介護度の判定を受ける。結果、要支援または要介護となると、介護保険が適用される。

 医師から要介護認定を受けたら、次は自治体から紹介されるケアマネージャー(ケアマネ)と相談することになる。原則として、ケアマネからのケアプランなしに介護サービスを受けられない。

 例えば要介護2の人が、8000円のデイサービスを利用する場合、介護保険を適用すると自己負担額は1割の約800円。このほかに、1回あたり食事やオムツの経費(介護保険は適用されない)が1000円ほどかかる。

 つまり、1回で約1800円。月8回利用すれば月額の負担額は1万4400円ほどだ。

「自治体によっては、オムツの無料支給や助成サービスや、高齢者のための格安家事ボランティアサービスを提供しているので、こういったサービスも活用してほしい。民間でも、食事を宅配する配食サービスや、訪問理美容などのほか、介護に直面している家族同士が交流できる家族会などもあります」(同前)

 息子介護には、息子介護特有の難しさがある。親から育ててもらったことへの恩返しを、たった一人で抱え込まないように心得たい。

※週刊ポスト2014年4月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン