さらに、ネット通販の最大の難点は、何かあったときのトラブルの対処に困ることだ。安蔵氏が続ける。
「家電にある初期不良や故障、交換手続きはネットで購入した場合は通販サイトに送り返したり、自分でメーカーに届けたりしなければいけませんが、量販店で買えば代行してくれますし、延長保証などの独自サービスも充実しています。
“安物買いの銭失い”ではありませんが、少しくらい価格が高くてもネットより量販店で買ったほうが安心感を得られるメリットは大きいと思います」
ちなみにヤマダでは、幅広い家電需要も見込める住宅関連事業に注力し、家電のみならず水回りの機器や内外装サービスなども取り入れた住宅展示場付きの店舗を2年後に20店まで増やす方針だ。
リアル店舗ならではの人を介したサービスや付加価値の提供――。消費者のニーズを細かく汲み取れば、価格競争だけに頼らない家電量販店の生き残り策はまだありそうだ。