体調が優れなければ、まずは薬を飲んで体を休めるのが鉄則──こんな当たり前の常識に一石を投じる説が登場した。「薬で病気がつくられる」と主張するのは、『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂新書)の著者で、このたび『薬が病気をつくる』(あさ出版刊)を上梓した、薬剤師で栄養学博士の宇多川久美子氏だ。宇多川氏は痛み止め薬の危険性を指摘する。
頭痛や歯痛、胃痛などの痛みを軽減させるため、痛み止めが手放せないという人も多い。
「たとえば、頭痛薬は血流を抑えることで痛みを消します。頭痛薬というと、頭部にのみ作用すると思いがちですが、薬は血液にのって全身に行き渡る。つまり、血流を抑えるという薬の影響は全身に及ぶのです。血流と体温と免疫力は実は密接に関わっているため、薬を常用して血流が悪くなることで体温が下がり、免疫力が著しく落ちてしまいます」
体内に入った細菌やウイルス、異物などから体を守る免疫力が低下することで、病気にかかりやすくなってしまう。
※週刊ポスト2014年5月23日号