芸能

小島よしお 「そんなの関係ねぇ!」はクラブでの一発芸だった

小島よしおが語る「そんなの関係ねぇ!」誕生秘話

 海パン一丁でムキムキの体を揺らし、軽快なリズムに合わせて「そんなの関係ねぇ!」と連呼するギャグでおなじみ、小島よしお(33才)。大好評シリーズ企画「転機」の今回は、一度見たら忘れられない異色のインパクトを放つ、小島に直撃! 大学時代のデビューからブームを呼んだあのギャグの誕生エピソードまでを聞いた。

――早稲田大学時代に芸人を目指されたそうですね。

小島:そうです、コントサークルに入ったのがきっかけですね。今と芸風は全然違って、スタイリッシュで頭のいい感じでした(笑い)。かもめんたるの2人も一緒だったし、今は脚本家になって『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)とか書いている人がネタを作っていたんですよ。

――在学中にそのサークル内の5人でデビューをしていますが、そのいきさつは?

小島:大学のお笑いの大会があって、そこに審査員として来ていた事務所にスカウトされたんです。その時サークルは20人くらいいたんですけど、5人に絞ってくれと言われて。WAGE(わげ)というグループ名は、サークル名をそのまま使いました。多い時は1000人以上集客がありましたから、結構人気でした。6年くらい続けていたんですけど、方向性の違いで解散しちゃいましたね。ぼくは解散した3か月後に、今の事務所に運よく拾われたんです。1分ネタを見せることになって、面白いじゃないかって。

――どんなネタですか?

小島:「実はぼくはけん玉がうまいんですよ」ってけん玉をぶら下げて、1分くらい溜めて、「ウーン!」ってけん玉をぶん投げる、ってネタです。事務所に入ってからやっていたネタは、怖い話をしながら「ウーン!」って服を脱いで海パン1丁になるとか。

――初めからナンセンス!

小島:なんで?のネタなんですよね。暗転、ざわつき、みたいな。お客さんから“よくわからない”“この人、芸人なの?”ってアンケートに書かれていました。笑いは起きませんでしたね。そういうのが5か月ぐらい続いて、秋くらいにラジオでネタを競い合う企画に出ないとけなくなって、困った。

――なぜ?

小島:さっき言った怖い話をしながら何かするというネタしかなかったので、大根をかつらむきするとか、ローションを塗り出すとか。これをラジオでやったら、ビジュアルが伝わらないから、ただ怖い話をしてるだけになっちゃいますからね。そんな時に、その何か月か前に先輩にクラブに連れて行かれたのを思い出したんです。突然マイクを渡されて、面白いことやれと言われて。

――無茶振りですね。

小島:そうなんです。クラブで怖い話のネタをしたんですが、全然ウケないんですよ。その日は平日で、お客さんがサラリーマンとかOLが多かったから、クラブの音楽に乗せて「明日仕事だけど、そんなの関係ねぇ!」ってやってたらすごく盛り上がったんです。まだ今みたいなボディーアクションはなかったんですけど。当時の彼女に「まだ耳に残ってる」って言われて、ダメ元でラジオでやってみようと。ネタとしてやったのはラジオが初めてで、そうしたらラジオ番組で優勝して、ライブでもやるようになったんです。

――それからブレークしていくんですね。

小島:テレビとかまだ出てない時に、営業を見に来ていた子供が帰りにまねをしていたりとか。周りの芸人もすごく面白いって言ってくれて。半年以上その状態が続いて…。オーディションに受かって、テレビに出られたんですよ。そこから一気に忙しくなりました。

――ピン芸人になってからブレークまでとんとん拍子ですね。

小島:でも、そうなるまで先輩芸人にほぼ拘束されていたというか、自由な時間は一切なかったんです。勝手に部屋の合鍵を作られて、先輩4人くらいに回されて、いつ誰が入ってくるかわからない状況。深夜バイトしてたんですけど、バイトよりも先輩の飲みが優先だぞという教えだったので、先輩から電話がかかってきたらバイトを早退しなきゃいけなかったんです。売れて忙しくて寝る時間ないという時以上に、寝る時間がなかったんです。じんましんが腕とかにできて、医者に行ったら、疲れとストレスだと言われました。

――営業は一切してないのに(笑い)。

 小島:その時は家とかメチャメチャでしたしね。毎晩のように家で騒いで、近所からマークされてるし、大家さんに毎月のように出ていってくださいと言われるし。壁は先輩が酔って書いた落書きだらけですから。

――売れて嬉しかったんじゃないですか? 先輩から開放されて。

小島:この地獄から抜け出すためには忙しくなるしかないという、そういう思いはありましたね。仕事だけは先輩の誘いを断れましたから。

――ブレーク後、環境はかなり変わったんじゃないですか?

小島:今まで相手にしてくれなかった合コンで会った女の子たちがすごく電話をしてくるとか。あと地元の友達が“会社やるから500万円出してくれ”っていうのもありました。あと、卒業アルバムを6~7万円で売られたり。ショックなこともありましたが、楽しいことのほうが多かったですね。テレビに出たくて芸人を選んだので、仕事ができるのが一番の幸せですから。

【小島よしお】1980年11月16日生まれ。沖縄県出身。大学在学中より、コントユニット・WAGEに所属し、解散後ピン芸人に。2007年、「そんなの関係ねぇ!」「おっぱっぴー」のギャグで大ブレーク、同年の流行語大賞にノミネートされた。クイズやバラエティー番組を中心に、子供向けのライブ活動も積極的に行っている。夏には毎年恒例の単独ライブの開催が決定! 詳しくはサンミュージックHPまで。http://www.sunmusic.org/

撮影■林紘輝

関連記事

トピックス

二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
4月3日にデビュー40周年を迎えた荻野目洋子
【デビュー40周年】荻野目洋子 『ダンシング・ヒーロー』再ヒットのきっかけ“バブリーダンス”への感謝「幅広い世代の方と繋がることができた」
週刊ポスト
日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん
《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン