ビジネス

東京五輪でタクシー業界激変の可能性 次世代タクシーの特徴

 タクシーに使われる車種はトヨタの「コンフォート」がシェアを独占(82%)していたが、近年になって同車の独壇場は、少しずつであるが崩れつつある。車内空間の広さが際立つアルファード、環境への配慮をアピールするプリウスなど、各社が新型車種を次々と導入しているためだ。

 そして6年後に控えた東京五輪が、大きく業界を変える可能性が出てきた。昨年秋、タクシー車両の製造・供給を一手に担うトヨタが、東京モーターショーで「次世代タクシー」のコンセプト車を発表したのである。

 コンフォートとの違いは一目瞭然だ。後部座席は電動スライド方式で、トランクはハッチバック型。全長4.35m、車幅1.695m、車高1.7mと、格段に大きくなった。

「かねてより日本のタクシーは、大柄な外国人利用者から“狭すぎる”と不評でした。また、荷物が多い家族旅行者の場合、2台に分乗をお願いしなくてはならないことも珍しくない。

 東京五輪に備えて、そうした問題を解消できそうな車両が出るのはいいこと。車が大きくなるので、運転には慣れが必要となるでしょうけどね」(空港待ちが多いベテラン運転手)

 車内には前部座席、後部座席ともにモニターが設置され、行き先までのルートや目安料金も表示される。また、電動スライド式への変更に加えて、後部座席スペースをフラットにすることで、足の不自由な利用者が車椅子のまま乗車できる。 特徴は、燃費向上と環境配慮を兼ね備えた「LPG(液化石油ガス)ハイブリッド車」だ。

「新型車の導入にあたって、タクシー会社からはトヨタに対して低コストで燃料確保が容易なLPGを燃料にすることがリクエストされたようです。それにプリウスなどで培ったハイブリッド技術が融合された。

 これまでの平均的なタクシーの燃費(LPGでリッター6km)から、ハイブリッド化することで効率は2倍に。タクシー会社のコストは大幅に下がるので、一気にタクシー各社が車の買い換えに動くと予想されます」(モータージャーナリスト)

 次世代タクシーがお目見えするのは3年後の予定。駅や空港で客を待つタクシー行列の光景は大きく変わりそうだ。

※週刊ポスト2014年7月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン