インターネット検索の需要減に伴い、ネットからリアルの世界へと一気に舵を切ったグーグル。自動運転車やグーグルグラスだけでなく、ロボット分野や医療とアンチエイジング分野など、その研究開発分野は多岐にわたる。一体、こうした数々の奇想天外なアイデアは、どこから生まれるのだろうか。ITに詳しい『ビジネスメディア誠』の吉岡綾乃編集長が語る。
「グーグルには勤務時間の20%をメインの仕事以外にあて、何か新しいことを生み出せというルールがあります。新規事業の多くはこの20%ルールが起源とされています」
社員に対する充実した福利厚生にもこのルールは表われており、世界中のどのオフィスも自由な雰囲気に満ちあふれている。世界トップレベルのエンジニアがこの恵まれた環境の下で、日々、夢想の翼を拡げているのである。
Yahoo!のCEOであるマリッサ・メイヤー氏、全世界で150万部を突破した『LEAN IN』の著者、シェリル・サンドバーグ氏の女性2人がグーグル出身であることは有名だが、ヘッドハンティングなどで新たな活躍の場へと羽ばたく人も意外に多い。「Foursquare」や「Instagram」といった世界中で人気のサービスにもグーグル出身者が関わっている。
ちなみにそんなグーグルの入社試験の問題とはどんなものなのか? 前出の吉岡氏によれば、次のようなものらしい。
「1台のスクールバスにゴルフボールは何個入るか」
「正20面体の各面を、三色のなにかで塗っていくとき、塗り方は何通りあるか」
これらを解くには数学などの高度な専門知識に加え、ユニークな視点も求められるという。革新的技術は、これら難問をいとも簡単に解いてしまう天才たちの手によって支えられている。彼らは次にどんなものを創り出すのか。IT界の覇者がリアルの世界で巻き起こす革命は、人類の未来を大きく変えていくだろう。
※週刊ポスト2014年7月4日号