◆雀鬼
……第1作『雀鬼「裏麻雀勝負! 20年間無敗の男」』1993年/徳間ジャパンコミュニケーションズ/監督・小沼勝/出演・清水健太郎、穂積隆信
元麻雀裏プロ・桜井章一の実体験を映像化。シリーズは全24作。「元禄積み」「ブッコ抜き」「つばめ返し」などのプロのイカサマ技がここそこにちりばめられている。
「それまでの麻雀ものは少牌、多牌、役が適当でも、上がり場面さえバシッと撮れていればOKという、リアリティに欠ける作品が多かったが、このシリーズは麻雀の場の流れをキッチリと描き、通を喜ばせる内容に仕上げた。清水健太郎は実際に桜井章一の弟子みたいな存在だったから、裏麻雀でしのいできた人間の凄みを臭わせるオーラがリアルに撮れている」
◆修羅がゆく
……第1作『修羅がゆく』1995年/ラインコミュニケーションズ/監督・和泉聖治他/出演・哀川翔、萩原流行
シリーズ全13作の任侠アクションシリーズ。男気と任侠道に生きる主人公・本郷流一と、手段を選ばないインテリヤクザ・伊能政治が全国制覇に向けて死闘を演じる。
「哀川翔の代表作となるこのシリーズは、植木等の映画『ニッポン無責任時代』と同じで、あれよあれよと出世していく哀川翔を神輿として、側近がどんちゃん騒ぎを巻き起こすという暴れっぷりが輝いている。そして敵役の萩原流行のキャラクターが凄い。必要とあらば身内を殺すことさえ躊躇しない非道ぶりで“このクソ外道をぶっ潰してくれよ”と観る側の気分を高揚させてくれる」
※週刊ポスト2014年7月11日号