――現在は株トレーダーとして、また投資家として活躍されている村田さん。サラリーマンには向いていなかったということですが、向いている道をどのように見つけたのでしょう。
村田:私の場合は消去法です。事務が苦手、文章が苦手、長時間座っていられない等、出来ないことを消していくと残っているものが少ない。自分探しをする余地なんてないんです。“ポジティブな消去法”って自分では呼んでいます。文章の寄稿を頼まれたときは、ライターさんに頼みました。注意力散漫の自覚があるから、車の運転もしません。会議の議事録も苦手だから、それは他の方にやってもらって、その代わり株や投資で稼いで貢献するのが私の役目です。
――株トレードには、村田さんのどんな能力が活かされているのでしょうか。
村田:瞬発力や頭の回転系は得意なんです。ゲームセンターでモグラ叩きは得意でした。株の場合は、アナリストレポートをバーッと読んで、直近の値動きを覚えていて、株価が跳ねた瞬間にパッと買う。スピード勝負は得意ですね。
いまは、エコアドバンスジャパンという技術系ベンチャー企業の販売事業部部長に就任するなど、実業に力を入れているので、株はできるときにやるというスタンスです。テレビでも放送されちゃったように、寝転がってパソコン見たりしてます。お行儀は悪いですが、ダラっと構えているほうが、キターーー! という瞬間にフル回転できるから私には合ってるんです。
――村田さんは冷静にご自分を見極めて、得意分野で勝負しているわけですね。
村田:東大卒には器用な方も少なくないですが、私は真逆のデコボコ人間ですから。私みたいな人間が生きていくためにも、平均点を目指すだけではなく、得意な面を伸ばしていく方向に教育や社会が向かっていくといいなと思います。
(取材・文/砂田明子)
※【後編/ウルフ村田のプライベートと今後】は7月26日に掲載予定です
【村田美夏/むらた・みか】
東京大学経済学部経済学科卒業後、日本長期信用銀行入行。2000年に独立し海外や日本のベンチャー企業支援を行う。2010年に株式会社サクセスワイズを設立し代表取締役就任